西南学院大学

　「国際文化学」は、伝統的な神学・法学・経済学・商学などよりも定義や輪郭が見定めづらい学問名です。英語では“Intercultural Studies”と呼ばれ、複数の学問のゆるやかな連合体から成っています。つまりそれは、さまざまな文化の「あいだ（inter）」に目を向け、その交流や融合や衝突のダイナミズムそのものと対話しようとする学問です。
　当学部には、ドイツ文学からアフリカの人類学まで、考古学から現代のメディア論まで、多彩な領域を専門とする教員たちが、皆さんの幅広い知的興味に応えます。「興味」とは英語で“interest”ですが、元々は「あいだ（inter）」に「在る（est）」ことを意味します。さまざまな文化の「あいだ」――日本と海外、過去と現在、男性と女性、マジョリティとマイノリティなど――に自ら身を置き、自己であると同時に他者でもあることを大切にします。「日本スゴイ！」と安易に自画自賛するのではなく、欧米人に同化しようとするのでもなく、自らの文化的アイデンティティを常に問い直す姿勢を、博多という古くからの文化の玄関口、いわば日本の「国」の「際（きわ）」で学ぶことは、複雑なグローバル社会を読み解き、生き抜くためのカギをもたらしてくれるはずです。