教育現場は刻々と変化している。小学校の先生に中・高(数学)の教員免許が必要!?

はじめに

将来、小学校の先生になりたいと思っている方はおられますか?学校の先生は身近な職業。そのため、先生に憧れている方も少なくないかと思います。
特に小学校では子どもたちの学習面だけでなく生活面にも深く関わり、成長を間近で感じられる、やりがいのある仕事です。
そんな小学校の先生を取り巻く環境が刻々と変化しているのをご存知でしょうか。学校現場では多様な子どもたちを誰一人取り残すことなく育成する「個別最適な学び」と、子どもたちの多様な個性を最大限に生かす「協働的な学び」の一体的な充実が図られていますが、実は今、全国的に先生の数が足りていないのです。
また、STEAM教育(※)等の教科等横断的な学習の推進や小中一貫教育の実施により、先生に求められる能力も変化しています。例えば自治体によっては、中学校の教員免許があることで、小学校の教員採用試験において有利になる傾向にあります。
様々な変化があるなかで、先生を目指す人は何を大切にしていけば良いのでしょうか。そこで今回は、大谷大学 教育学部教育学科初等教育コースの教授、またそこで学ぶ学生にインタビューを実施。それぞれ、学校の先生を目指す上で知ってほしいことや先生を目指した理由などを伺いました。

※STEAM教育とは、科学(Science)・技術(Technology)・工学(Engineering)・芸術(Art)・数学(Mathematics)の5つの分野を統合的に学ぶ教育のこと

中学・高校の教員免許があることで、「教育の橋渡し」ができる

まずは、初等教育コース主任の田中久美子教授です。

――今、小学校の先生を目指す人には、何が求められているのでしょうか。
小中一貫校に注目が集まっている背景もあり、小学校と中学校の教育を橋渡しできる人物が求められています。例えば、小学校から中学校に上がると、算数は数学に名前が変わり、レベルもグンと上がります。そんな中で中学校の数学を知っている先生が小学校で教鞭を執ることによって、つまずくポイントや必要な知識など全体を俯瞰しながら教えることができる。子どもの発達に合わせて、教え方を変えることができるのです。

大谷大学では小学校の先生を目指す人も、中学・高校(数学)の教員免許を取得できるようになると聞きました。この背景を教えてください。
教育学部への進学というと文系が多いイメージですが、時代が変化し、文系・理系の垣根はなくなってきていると感じています。先ほどの教育の橋渡しもそうですし、現在はSTEAM教育(※)に注目が集まっていたり、成績管理でも数字を扱ったりと、数学が必要になる場面は多い。中学校(数学)の教員免許を持っていると、教員採用試験でも優遇されるケースがありますので、文系の教育を受けてきた人も理系科目を学んだり、反対に理系の教育を受けてきた人が小学校の教員免許の取得を目指したりと、柔軟な学びをしてほしいと考えています。


――小学校の先生を目指す受験生にメッセージをお願いします。
学校の先生は大変そう、難しそうと思うこともあるかもしれませんが、興味のある方はぜひ目指してほしいと思います。特に小学生は心も体も成長が著しい時期ですが、子どもの発達に携われる仕事はそう多くありません。オープンキャンパスに参加して先輩の話を聞いたり、積極的に大学を調べたりすることで、最善の選択をしてほしいと思います。

将来は、小学生のときに憧れた担任の先生みたいになりたい

続いては、初等教育コースで学ぶ4年生の大庭有稀さんです。

――大庭さんが小学校の先生を目指した理由を教えてください。
小学生のときの担任の先生に憧れたのがきっかけです。先生は地域活動など学校外の活動にも積極的に参加し、熱心に児童に関わってくれる先生で、自分もこんな風になりたいと思いました。また中学生の時の職場体験で、小学生に算数の授業を行う機会があったのですが、そこで教えることの面白さを知りました。

――大谷大学に進学した理由を教えてください。
少人数制教育とサポートの手厚さが一番の理由です。「初等科教育法」という自分で授業内容を考えて、模擬授業を行う科目があるのですが、大谷大学ではこの科目を全教科(※)2~3クラス体制で実施しています。これは、少人数制だからできること。大きな大学だと、自分の番がなかなかまわってこないことや、全教科は担当しないこともあると聞きます。さらに大谷大学には学校現場での経験豊富な教職アドバイザーが常駐している「教職支援センター」があり、ボランティアや実習、進路に関して相談できる点も魅力です。

※小学校10教科(国語、社会、算数、理科、生活、音楽、図画工作、家庭、体育、外国語(英語))を指す

――将来は、どんな先生になりたいですか。
一人ひとりに寄りそうことができる先生になることが目標です。実習で学校現場にいくと、色々な特性を持つ子どもがいることに気づかされました。個性が違う色々な子どもがいる中で、みんなの居場所を作れる先生になりたいと思います。

――最後に、受験生にメッセージをお願いします。
何を目指すにしても、大切なのは心と体の健康です。自分のペースで、自分を大事しながら勉強を頑張ってください!

おわりに

お二人のお話はいかがでしたか。
今、先生を取り巻く環境は大きく変化しています。多様な子どもたちとの関りや、小中一貫教育への対応など、不安や大変さを感じることがあるかもしれません。しかし先生は子どもたちとともに学び、成長を間近で感じられるやりがいのある仕事です。関心のある方は、ぜひ先生を目指してみてはいかがでしょうか。
今回ご紹介した大谷大学では、以下の日程でオープンキャンパスを開催予定です。

・2025年3月23日(日)

大谷大学では、2025年4月以降に入学する学生から、初等教育コースでも中学校・高等学校教諭一種免許状(数学)取得が目指せるようになります。大学の変化を知ることができるのはもちろん、先生を目指す先輩方からたくさん話を聞くチャンスです。関心のある方は、ぜひ参加してみてください。

この記事を書いた人
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