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はじめに
みなさん、勉強は捗っていますか? 朝から晩まで勉強に励んでいる受験生もたくさんいることだと思います。
体調管理も大事ですが、これから受験当日まで、より大切になってくるのがモチベーションの管理。モチベーションは「やる気」とも言えますが、勉強のやる気を維持する方法はないか、誰もが一度は考えたことがあるのではないでしょうか。
そこで今回は、モチベーションの作り方・保ち方について、モチベーション理論の専門家である跡見学園女子大学マネジメント学部の佐藤敦教授にお話をお伺いしましたので、ご紹介します!
「モチベーション」とは? 充実した受験勉強のために、「内的モチベーション」を知ろう!
モチベーション(やる気、動機付け)と一言で言っても、中身は2つに分けられます。
1つは「内的モチベーション」と言い、自分でモチベーションを上げる方法。もう1つは「外的モチベーション」と言い、家族や友人、先生など周囲の方からの励ましや刺激(ストローク)を受けてモチベーションを向上させる方法です。
内からの刺激か外からの刺激か。あまり違いはないように見えますが、実は内的モチベーションの方が高い状態を維持できるのです。
内的モチベーションは、「自己決定」から生まれます。たとえば、親や周囲の先生に「この大学に行きなさい」「勉強しなさい」と言われるよりも、自分で「この大学に行こう」「この勉強をしよう」と決めた方が、やる気が高く持続します。
意外に思いましたか? しかし、部活でも趣味でも時間を忘れて没頭できるのは、自分で決めてやっているからです。「人に言われたからやる」では、やる気はそこまで持続しないのです。
また、「期待理論」と言われる「面白そう」「役に立ちそう」「できそう」といった将来への期待も内的モチベーションに関係しています。苦手な科目でも、面白そうだと思った内容はもっと知りたいと思いますよね。「将来に役立ちそう」といったワクワク感など、ポジティブな感情は侮れないものです。模試での合格判定が上がり、志望校に合格「できそう」と思うとやる気が出ます。
【期待理論の図式】
資料:ビクター・ブルーム、坂下昭宜訳『仕事とモチベーション』などから再構築
ほかにも、「ストレッチ目標」という考え方があります。自分が達成できるギリギリの目標を設定し少しずつ上げていくことでやる気を引き出すことができるのです。
モチベーションの維持には、「自己決定」と「期待理論」、「ストレッチ目標」が大切です。このことを知っておきましょう。
「勉強のフロー状態」を作るために、得意なこと、簡単なことから始めよう!
とは言え、自分で決めたことだとしても、その日の気分で勉強が手につかなかったり、いざ机に向かっても別のことを考えてしまったりということがあると思います。
そんな時にオススメなのが、得意なこと、簡単なこと、すぐに解ける問題から始めることです。
「フロー状態」という言葉を聞いたことがありますか?これは、何かに打ち込んで気分が乗って集中している状態を指しますが、得意なことや簡単なことから始めると、このフロー状態になりやすいのです。たとえば、得意な歴史から始めてみる。英語であれば、いきなり長文読解から始めるのではなく、少し前に覚えた英単語を復習する。数学であれば、簡単な計算問題から始めてみてください。あえて取り組みやすいことから始めて、勉強モードに入りやすい状態を作ることがポイントです。これは、「勉強を始める」という高いハードルを下げる工夫です。一度始めてしまえば、はかどり感から「フロー状態」になりやすいのです。
また、友達と一緒に勉強することもモチベーションを向上させるために有効です。モチベーションには「関係性欲求」というものがあり、「ピアプレッシャー(仲間からのいい意味での圧力)」を感じることができる友人がいると集中力が一層アップします。
ほかにも、オープンキャンパスや学園祭に行って大学の関係者・卒業生に会うことで、その大学で学生生活を送るイメージが湧いてくるかもしれません。このことは、「おもしろそう」「役立ちそう」という期待を高め、モチベーションの向上につながります。
「ポジティブ心理学」という分野があります。ものごとのポジティブなとらえ方が「楽しい」「がんばろう」という「ポジティブ感情」につながり、これも学習のモチベーション向上につながります。模試でうまくいかなくても失敗と考えず、弱みや課題が分かったのでやり直すチャンスだととらえると、モチベーションが向上します。
つまり、「とらえ方」は自分で選べるのです。
ぜひこれらも試してみてはいかがでしょうか。
出会いや気づきを増やすことも「モチベーション」には大切。ドラマ、映画、ドキュメンタリーを見るのも手段のひとつ!
モチベーションとはポジティブで前向きな感情のことであることはお分かりになったと思います。
この前向きな感情は、受験だけでなく人生においても大切になってきます。常にモチベーションが高い状態を維持する、つまり、前向きな感情になることで、チャレンジに意欲的になり、失敗してもそれを乗り越えることができますし、また、予想もしていなかったような出会いや気づきに恵まれたりするのです。
「セレンディピティー(幸運獲得力)」という考えがあります。出会い、気づきを増やすことで幸運を獲得できるというものです。面白い出会いや気づきを増やすためのロールモデル(目標や憧れの人)を見つけるには、ドラマや映画、ドキュメンタリーを見るのもひとつの手段になります。
たとえば、テレビドラマでは、お仕事ドラマなど色々な職業に就いた主人公が描かれています。もしかしたら、あなたの将来の仕事の選択肢になるかもしれません。また、ドキュメンタリーでは、実際の職業を細かく紹介していますよね。
このように、働くイメージにつながるようなテレビを見ることも、前向きな感情を持ち、新しい気づきを得たり、勉強する動機を養ったりするにはとても有効です。
跡見学園女子大学で、「モチベーション」とマネジメントについて学ぼう!
このような人を動かすモチベーションやマネジメントについて学べる大学に、跡見学園女子大学マネジメント学部があります。
マネジメント学部は、「マネジメント学科」と「生活環境マネジメント学科」の2学科で構成されており、いわばマネジメントの教養学部、大学で何を学ぶか迷っている人には、幅広く学びながら分野を決めていけるのでお勧めです。
「マネジメント学科」では、経営戦略、人材、会計、マーケティングといった「企業マネジメント」、法、経済、行政といった「公共マネジメント」、演劇、音楽、スポーツといった「文化マネジメント」と幅広く学ぶことができます。
一方、「生活環境マネジメント学科」では、ファッション、食生活、インテリア等「衣食住マネジメント」やSDGs(持続可能な開発目標)をはじめとする「環境マネジメント」などを学ぶことができます。さらに、2年次にはゼミ活動も本格的にスタートするとともに、夏休みには、すべての学生がインターンシップに参加します。将来の自分の姿をイメージしながら学ぶことができるため、実践力が身につき、将来に向けて着実に歩んでいくことができます。
また、教員には、広告代理店、百貨店、銀行、経営コンサルティング、映画配給、雑誌社など各業界出身の実務家教員が多数所属しており、ビジネスの臨場感が伝わります。
このように、跡見学園女子大学マネジメント学部では、変化の激しい現代社会に対応してさまざまな問題を解決し、成果を上げるために必要となる学問(マネジメント学)を理論的・実践的に学ぶことができます。
※モチベーションやリーダーシップに興味がある人は、佐藤研究室(ゼミ)で学ぶことができます。もっと専門的にモチベーションについて学んでみたい方は以下のページもご覧ください。
おわりに
志望校に合格できるのか。そもそもどんな大学に進むべきなのか。将来について悩んでいる方は多くいると思います。
しかし、たくさん悩むことは遠回りではありません。悩むことで自分のキャリアの目標がはっきり見えてくることもありますし、その過程はきっとそこへ向かっていくためのかけがえのない経験となるでしょう。勉強、部活、趣味、ボランティアなど、やることが多いと思いますが、ぜひ前向きに頑張ってください。悩み取り組むことで、考え方や生き方に厚みが生まれ、次の難局への引き出しが増えることでしょう。
さいごに、今回ご紹介した跡見学園女子大学では、WEBオープンキャンパスも開催しています。人を動かすモチベーションについて知りたい、マネジメントについて学びたいという方は、ぜひこちらも参加してみてください。