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はじめに
近年、様々な分野でAIの導入が進んでいます。多くの業務がAIに置き換わっていく中で、「人の仕事がなくなってしまうんじゃないか」と不安に思う人もいるかもしれません。
しかし、本当にそうでしょうか。例えば薬剤師の場合、一部はAI活用が進んでいても、人にしかできない仕事がたくさんあります。
大切なのは、AIをうまく活用し、より人のためになる方法を模索すること。AIの得意分野と人の得意分野を掛け合わせ、より質の高い仕事を行っていくことなのです。
これからの時代に必要とされる、薬剤師の資質とは
すでに現在、業務の一部にAIを導入しているところもあります。ある薬局では、ロボットが棚から薬剤を取り出し調剤する「ロボット調剤」を導入しました。入力された処方箋情報をもとに、ロボットが自動で薬剤をそろえるため、ヒューマンエラーを減らすことが期待されているようです。
このような話を聞くと、「人間の薬剤師って、本当に必要なの?」と思うかもしれませんね。しかし、薬を渡すことだけではないのです。どんな薬剤を扱うにしても、処方箋に誤りがないかを確認する必要があります。書類のチェックはAIが代行できますが、最終的な確認は人の目で行わなければいけません。
また薬局には、病気や体のことで、心配や不安を抱える患者さんが多く来られます。その際に、患者さんの気持ちに共感し、親身になって対応したり、生活背景を十分に理解した上で、安全に正しく飲んでもらうための服薬指導をしたりすることも、薬剤師の大切な役割なのです。
現在のAIでは、人の感情までを感知することはできません。だからこそAIを活用しながらも、人に寄り添い、適切な対応ができる薬剤師は、強く現場で求められているのです。
正しい情報を患者さんの目線で伝える。薬剤師だからできること
また、感染症の予防指導も、薬剤師の重要な仕事のひとつ。
例えば、新型コロナウイルスについてはインターネットで調べることができますが、検索で出てくる情報すべてが正しいわけではないですよね。しかしなかには、不安な気持ちが先走ってしまい、真偽がわからないまま、自分が見聞きした情報のみで判断をする方もいらっしゃいます。このような状況において、適切な情報を発信していくことも、薬剤師が担う大切な役割です。
これは、現在のAIにはできない仕事です。AIはたくさんの情報を信じられないスピードで収集してくれます。しかし、その情報が正しいかどうかをきちんと調べ、適切な情報を患者さんの目線で伝えていくのは、「人」だからできること。
これはまさに、専門知識をもったプロフェッショナルだからできる仕事だと言えるでしょう。
薬剤師には、AIにはできないことがたくさんある!
今後も、調剤や薬歴管理など一部の仕事は、オートメーション化やロボットに置き換わり、効率化が図られていくと思います。しかし、ロボットができるのは、あくまでルールがある決まりきった仕事のみ。薬剤師は最新のテクノロジーを利用しながらも、チーム医療の一員として、また病院や薬局などの地域の健康ステーションにおいて、医師や患者さんとコミュニケーションを取りながら、より質の高い仕事を行っていくことが求められます。
そのため、専門知識があるのはもちろんのこと、人の気持ちに寄り添える共感力、患者さんのことをよく知るための会話力を持った薬剤師は、今後も必要とされていきます。
引き続き、社会に欠かせない仕事であるとともに、より対人業務の重要度が増していくやりがいのある仕事であると言えるでしょう。
時代に必要とされる薬剤師を輩出する、日本大学薬学部
このような、これからの時代にも必要とされる薬剤師を輩出しているのが、日本大学薬学部です。
薬学は、病気の治療や予防・診断に使われる「くすり」を総合的に研究する学問。日本大学薬学部では薬が何からでき、体内のどこで作用し、どうやって効果を発現させるかなどを中心に学んでいきます。また薬は製薬会社→医薬品卸→病院や薬局→地域住民と、人と人を繋ぐもの。ですから、必要なコミュニケーション能力や社会性、そして高い倫理観も並行して修得していきます。
日本大学薬学部は薬を総合的に研究することで、自主創造の気風と高度な専門性を持った医療人を育成してきました。これまで68年にわたって多くの薬剤師を輩出しているとともに、未来の薬剤師にとって必要とされる学びを提供しています。
卒業生の進路は、病院、診療所、薬局、大学や企業の研究職、製薬会社、国や自治体など様々。キャリアサポートも充実していますから、自らの目指す将来に向かって、存分にチャレンジすることができるはずです。
おわりに
薬剤師は、人がいる限り必要とされる仕事であるとともに、社会に貢献することができ、深い充実感を得られる職業です。
日本大学薬学部では、薬剤師を目指す方々に向けてオープンキャンパスを開催しています。薬剤師に興味のある方、また将来医療関係の仕事を通じて人の役に立ちたいといった思いのある方は、ぜひ参加してみてくださいね。