現代医療の重要キーワード!「カンファレンス」って?

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はじめに

医療をテーマにしたドラマ・映画などを観ていると、医療に携わるメンバーが集まって話し合うシーンがたびたび登場します。これは「カンファレンス」を行っているシーン。「カンファレンス」とは、英語で会議や協議を意味する言葉ですが、実は現代の医療現場に欠かせないキーワードになっています。なぜ「カンファレンス」を行う必要があり、それほど重要なのでしょうか?


総合大学と医療大学、どちらで学ぶべき?

医療の道を志す人にとって、学校選びはもっとも悩ましいポイントです。医療以外にも幅広い学部・学科が存在する「総合大学」と、医療に特化した学部・学科で構成される「医療大学」。それぞれに違ったメリットがあります。「総合大学」の場合は、専門科目以外の教養科目も充実しているため多様な知識を身につけられたり、他学部・学科との交流によって幅広い視点を持つきっかけを得られたりするのが特徴です。また、総合大学は規模が大きいため食堂や図書館などの施設が充実している、大学祭やサークル活動なども盛んといったメリットも挙げられるでしょう。

一方「医療大学」の場合は、同じ志を持った仲間が集まる環境のため、国家試験までの勉強に集中しやすく、医療に特化した教育サポート制度・キャリア支援制度が整っている点が特徴です。冒頭で紹介した「カンファレンス」は幅広い分野のプロフェッショナルが連携する場ですので、多様な医療系の学部・学科がある医療大学の場合、他分野を学ぶ学生と一緒に、現場さながらのチーム医療を実践的に学ぶことができるという大きなメリットがあります。

全7学科が連携し、実際に「カンファレンス」を行う森ノ宮医療大学のIPE

医療現場における「カンファレンス」の目的は、患者さんにどんな治療やケアが必要かを多職種で話し合い、「情報を共有」したり、「認識を統一」したりすること。医療がよりプロフェッショナル化・専門化されている現代、「カンファレンス」は「チーム医療」にも欠かせないものとなっています。
けれども、これまでは実際に現場に配属されるまで他の医療職と議論したり、同じ課題に取り組んだりする機会がほとんどありませんでした。
そこで、関西最大級の医療系総合大学である森ノ宮医療大学では、実際に「カンファレンス」を授業として行う独自のチーム医療教育「IPE(InterProfessional Education=専門職間連携教育)」を導入し、率先してチームに貢献できる医療人の育成に力を入れています。

IPEでは、まず1年次に医療人としての倫理観や人間性を身につけ、東西両医学の歴史や地域医療制度を学びます。また、7つの学科からそれぞれ1名以上の学生を入れた混成チームを作り、病院を訪問する「チーム医療見学実習」を行います。2年次には、チーム医療に欠かせないコミュニケーションについて、多職種の教員から「医療の共通言語」を学ぶ、「医療コミュニケーション」があります。そして、いよいよ3年次には実際の病院さながらの「ケースカンファレンス」を体験します。

学科混成チームで「ケースカンファレンス」に臨むIPW論

「ケースカンファレンス」とは、「ケース=症例」について「カンファレンス=協議する」こと、つまり症例検討会のことです。学科混成の各チームは、教員が作成したペーパーペイシェント(模擬患者)の症例に対して、治療・ケアプランを検討し、各職種がどう協力して患者さんにアプローチするかを議論します。
最初に、自分の職種と他の医療職の役割や専門性を再確認します。次に、症例に基づく患者さんの治療やケアについての課題が出され、学科内で治療とケアの方針を検討します。模擬患者の症例は、年齢・性別・身長・体重・血圧・脈拍といった基本的なデータに加え、喫煙や飲酒などの嗜好品・趣味・家族構成・住環境などが記載されています。また、森ノ宮医療大学では、患者さんそのものを診る「全人的医療」を大切にしています。そのため症例には基本情報や既往歴(ある病気になった経歴)だけでなく、「退院後は住み慣れた自宅で過ごしたいと希望している」「妻も高齢のため退院後の生活に不安を感じている」などの「本人の意向や想い」を記載しているのが特徴です。

実際のケースカンファレンスをイメージするために、事前に教員による「模擬カンファレンス」の実演を見学してカンファレンスの進め方や意思決定の取り方を学びます。その後、同じ症例を担当する他学科の学生と合流しチームを結成。専門領域が異なる学生同士での意見交換を行います。基本的には学生主導で進めますが、2チームに1名の教員がファシリテーター(議論の進行役)として議論に加わるフォロー体制も整えています。
学生や医師免許をもつ7名の教員、各学科の教員が会場に集い、丸一日をかけて行われる熱い議論の末、最終決定したアプローチ方法をチームごとにプレゼンテーションします。1チーム10名で総計25の症例に取り組むため、他チームの考え方も学べます。医療大学として関西最大級のスケールだからできる、貴重な経験ですね。

「分野別志願度ランキング」2年連続で関西エリア第1位!(看護・医療・保健・衛生分野)※

「志願したい大学」に関する調査※では、「看護・医療・保健・衛生」分野で、森ノ宮医療大学が昨年に続き2年連続で関西エリア第1位に!また、男女別の女子部門では28位から18位へと10ランクもアップ。文理別では理系部門で30位から16位と14ランクもアップしており、年々注目度が高まっています。

ワンキャンパスの医療系総合大学であるということ、実践的な「チーム医療」教育を行っていることなど、森ノ宮医療大学の強みが、高校生の間でも知れ渡ってきているのかもしれませんね。

※「進学ブランド力調査2020」リクルート進学総研調べより抜粋。2021年3月卒業予定で高校所在地が関西エリアの高校生を対象。

「関連職種連携ワーク」でカンファレンスを学ぶ国際医療福祉大学とは?

栃木・千葉・東京・神奈川・福岡の5都県に5キャンパスを有する国際医療福祉大学。医師・薬剤師・看護師・保健師・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・視能訓練士・診療放射線技師・臨床検査技師・臨床工学技士・公認心理師・介護福祉士・社会福祉士・精神保健福祉士・診療情報管理士・医療経営スタッフなど、医療福祉の現場で活躍できる16以上の職種の資格取得をめざせます。
チーム医療を実践する学びとして、国際医療福祉大学でも行われているのが学部・学科の垣根を越えた「関連職種連携教育」です。3年次には、問題解決型学修である「関連職種連携ワーク」に取り組みます。異なる学科のメンバーで構成されたチームごとに、与えられたシナリオやテーマから患者さんや利用者さんにとって最善の総合サービスを計画します。話し合いながら多職種連携そのものを体験する、まさにカンファレンスですね。
さらに4年時の「関連職種連携実習」では、附属病院などにおいて実際の患者さんを担当し、よりリアルな臨床推論・問題解決を実践します。現場の医師や各専門職が集うカンファレンスにも参加し発表を行います。こうした学びと、きめ細かなサポート体制が実を結び、国家試験の合格率は毎年全国トップクラス! 2020年度も薬剤師国家試験合格率全国1位(受験数100人以上の大学)をはじめとして、多くの学科で国家試験合格率100%をマークし、合格者数は全国トップ10にランクイン。また、就職率も毎年100%を達成しています。実績にも繋がっているんですね。

13学科の学生が1キャンパスで学ぶ新潟医療福祉大学の「連携総合ゼミ」とは?

「看護・医療・リハビリ・栄養・スポーツ・福祉・医療ITを学ぶ医療系総合大学」として、6学部13学科66種類以上の専門資格の取得をめざせる新潟医療福祉大学。4年次前期に開講される「連携総合ゼミ」が、カンファレンスを実践的に学ぶ機会となっています。
このゼミでは、他学科の学生と混成で一つのチームを形成し、症例ごとに患者さんのQOLを上げるための支援策を検討します。各専門職の立場から意見や支援策を出し合い、患者さんへの最善な支援プランを具体的に作成します。理学療法士などのリハビリの専門職に加え、福祉制度の知識を持った社会福祉士、眼のスペシャリストである視能訓練士、入院中の栄養管理を行う管理栄養士、患者さんと接する時間の一番長い看護師などの専門職と協働で取り組むことによって、自分の職種の役割を深く理解できるとともに、他の専門職の役割も具体的に知ることができます。
新潟医療福祉大学はワンキャンパスに13学科がそろっているので、将来「チーム医療」の現場で必要な関連職種への理解やチームワーク技法について実践的に学ぶことが可能です。学びと合わせて、全学的な資格取得・就職支援体制が整っているので、国家試験合格率や就職実績も全国トップクラス!医療のスペシャリストとして活躍するための充実した4年間となりそうですね。

おわりに

チーム医療の方針を決める重要な話し合いの場が「カンファレンス」ということをご紹介してきました。チーム医療が主流となってきたこれからの時代には、自分の職種に必要な知識やスキルを身につけるだけでなく、グループワークを円滑に進める能力も重要視されていくことでしょう。医療や福祉の世界で活躍したいなら、カンファレンスの実践力を習得できる大学のチェックをお忘れなく!

この記事を書いた人
    【PR】Studyplus編集部
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