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必要条件・十分条件とは?例題を解きながら意味の違いをマスター!

はじめに

必要条件と十分条件がごっちゃになることはありませんか?

わたしも習ってからしばらくは、2つがごっちゃになることがよくありました。必要条件・十分条件の問題が出てくるたびに毎回時間を食い、あげくのはてに反対にしてしまって大問1つ落とす、なんてこともよくありました。
ですが、必要条件・十分条件はセンター試験の数学1Aでほぼ毎年出題される超重要な単元です。ここを落としていては話にならないのです!

「⇒の先が必要条件」などの表面的な覚え方をしていると、どうしても忘れたり、記憶間違いをしたりしてしまいます。
必要なのは日本語を掘り下げて考え、「必要」「十分」の意味をきちんと理解することです。

この記事では必要条件・十分条件について丁寧に説明したあとに、例題を解くことでそれをより使えるものにしていきます。
本質を理解して、必要条件・十分条件を大学受験で使いこなせる武器にしましょう!

必要条件とは

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順々に解説していきます。まずは必要条件です。

まずは定義を確認

まずは必要条件の定義を確認しましょう。

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言ってしまえばこれを丸暗記すれば済む話なのですが、
先ほども言ったとおり「⇒の先が必要条件」のような覚え方をしているとど忘れ・記憶間違いが起きやすいため、しっかり日本語の意味を理解しましょう。

東京と渋谷に置き換えると?

必要条件を理解する上で難しいのが、「必要」という言葉の意味の取り方です。
例えば「x=2ならばx²=4」ですから、x²=4はx=2であるための必要条件というわけですが、「x²=4はx=2であるために必要ってどういうこと…?わかったようなわからないような…」となる方がほとんどでしょう。

そこで、数式をやめて、日本語に置き換えてみます。今回は「東京に行く」と「渋谷に行く」で考えます。
当然ですが渋谷は東京の一部ですから、「渋谷に行く」ならば「東京に行く」ことになりますね。「渋谷に行く⇒東京に行く」が成り立つわけです。

つまり、先ほどの「『pならばq(p⇒q)』が成立するとき、『qはpであるための必要条件である』という。」にそって考えると、
「渋谷に行くこと⇒東京に行くこと」が成り立つので、「東京に行くことは渋谷に行くための必要条件」となります。

一瞬飲み込めないかもしれませんが、よく考えてみてください。渋谷は東京の一部なので、東京に行かずに渋谷に行くことなど不可能です。
つまり、渋谷に行くためには東京に行くことが必要不可欠なのです。

必要、の意味がつかめたでしょうか?

集合と必要条件の関係

ここまで、「pならばqが成立するとき、qは〜」と、「ならば」を出発点として考えてきましたが、そもそもこの「ならば」がわからなくなってしまうと大惨事です。
ですがこの「ならば」がやっかいで、日本語で考えようとしてもわからなくなりがちです。「渋谷ならば東京」「東京ならば渋谷」、どちらが正しいのか、わかりにくくないですか?

ここで便利なのが、「集合」の概念です。
条件pを満たす要素の集合をPとします。

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東京と渋谷の例からもわかるように、「pならばq(p⇒q)」が成立するとき、qの集合Qはpの集合Pを包含します。東京は渋谷を包含しますよね。

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ここから、必要条件について新たに以下のことがいえます。

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この3つの関係性を、「東京に行くこと」「渋谷に行くこと」の例とともに頭に入れておくだけで、ミスは格段に減ります。

例えばx²=4とx=2の関係性を考えてみます。
x²=4⇔x=±2
より、x²=4はx=2を包含します。なので、x²=4を東京に行くこと、x=2を渋谷に行くことと置き換えて考えてみると、

渋谷に行くならば東京に行くことになるので、x=2⇒x²=4
渋谷に行くためには東京に行くことが必要なので、x²=4はx=2の必要条件

と、サッと解答を出すことができるのです。

数式と違い、渋谷に行く、東京に行くという日本語で考えると、何かを暗記しなくとも、自然と解答が出せると思います。

十分条件とは

次は十分条件です。こちらも日本語の意味をしっかり理解していきましょう。

まずは定義を確認

まずは十分条件の定義の確認です。

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東京と渋谷に置き換えると?

これも、「東京に行く」と「渋谷に行く」に置き換えて考えます。
先ほどやったように、「渋谷に行く⇒東京に行く」ですね。

東京在住の方もそうでない方も、あなたは今、東京観光に来ていると想像してください。友達に「東京でどこか行っておくべきところはある?」と聞いたところ、その友達は、
「東京に行くんだったら、渋谷に行っておけば十分だよ」
と答えました。

これが、十分条件における「十分」の意味です。
渋谷に行ったからといって東京の隅々まで観光したことにはならないが、まあとりあえず渋谷に行っておけば十分でしょ、という感じです。いや、スカイツリーとかお台場とか他にも色々あるでしょ、と思うかもしれませんが、今はちょっとおいておいてください。

集合と十分条件の関係

この十分条件を集合と合わせて考えると、

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この「十分」という言葉、「必要」よりも意味が取りにくいので、問題を解くたびに「東京」と「渋谷」なり、「金沢」と「石川」なり、「北海道」「札幌」なりに置き換えて考えるといいと思います。
わたしはセンター試験本番ですらも、問題文に「東京」「渋谷」と書き込んで考えていました。

一番簡単!必要十分条件とは

さて、必要条件と十分条件が理解できたところで、2つのハイブリッドである「必要十分条件」について説明します。

必要十分条件は、2つの条件の合体版

必要十分条件とは、その名の通り必要条件と十分条件を合わせたものです。
p⇔qが成り立つとき、つまり「p⇒q」と「q⇒p」が両方成り立つとき、「pはqの必要十分条件である」「qはpの必要十分条件である」といいます。

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同値(⇔)の意味とは?

この「⇔」とはどういう意味でしょう。
「p⇒q」と「q⇒p」が両方成り立つ、これはつまり、
pの集合Pとqの集合Qが同じである
と考えるとわかりやすいかと思います。

p:x³=8
q:x=2
としましょう。見た目は違いますが、
x³=8⇔x=2
より、PとQは同じです。

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つまりこういうことです。

これらをまとめると、

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この「⇔」という記号は他の単元の解答でもよく使いますが、使い方には注意が必要です。
⇔を使うということは、この前後が同値であると宣言していることになるので、
例えば「xの2次方程式x(x-2)=0の解を求めよ。ただしx>0とする」という問題であっても、
x(x-2)=0⇔x=2
とするのは危険です。厳しい採点官だと減点されるかもしれません。
多少めんどくさくても、
x(x-2)=0⇔x=2 (∵x>0)
とするべきでしょう。

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例題を解いてみよう

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では、例題を解いて練習してみましょう。

【例題】
xは実数とする。
①p:xは奇数 q:x=7
②p:x(x-1)=0 q:x(x-2)=0
③p:x=5 q:x³=125
④p:x=1 q:x³+x²+7x-9=0
⑤p:x=2 q:x⁴=16

以上の①〜⑤に関して、それぞれ
A:pはqの必要条件だが、十分条件ではない
B:pはqの十分条件だが、必要条件ではない
C:pはqの必要十分条件である
D:pはqの必要条件でも十分条件でもない
のどれが当てはまるか答えよ。


【解説】
①p:xは奇数 q:x=7
Q⊂Pより、pを「東京に行くこと」qを「渋谷に行くこと」と置き換えて考えてみると、
「東京に行くことは渋谷に行くことの必要条件」
なので、答えはA


②p:x(x-1)=0 q:x(x-2)=0
要素に分解して考えると、
p:x=0, 1 q:x=0, 2
より、PとQは一方が一方を包含する、ということはない。

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なので、pはqの必要条件でも十分条件でもないので、答えはD


③p:x=5 q:x³=125
q:x³=125⇔x=5より、
PとQは同じ。よって、pはqの必要十分条件であるので、答えはC

④p:x=1 q:x³+x²+7x-9=0
q:x³+x²+7x-9=(x-1)(x²+2x+9)=0⇔x=1, x²+2x+9=0
x²+2x+9=0の判別式をDとおくと、D/4 = 1²-9 = -8 <0 よってx²+2x+9=0は実数解をもたないが、xは実数であるため、
q:x=1
よって、PとQは同じなので、答えはC。

⑤p:x=2 q:x⁴=16
q:x⁴=16⇔x=±2
より、P⊂Q
よってpを「渋谷に行くこと」qを「東京に行くこと」と置き換えて考えてみると、
「渋谷に行くことは東京に行くことの十分条件」
なので、答えはB

センター試験を解いてみよう

センター試験では、ほぼ毎年第1問か第2問で必要条件・十分条件の問題が出題されます。今回はその中から、2017年に出題された問題を解いてみましょう。

ただ、センター試験においては「または」「かつ」「否定」の概念と組み合わせて出題されることがほとんどです。まだ習っていない方は、習ってからトライしてみてください。


【2017年度数1A 第1問】

引用元:http://www.dnc.ac.jp/albums/abm.php?f=abm00009412.pdf&n=%E6%95%B0%E5%AD%A6%E2%85%A0%E3%83%BB%E6%95%B0%E5%AD%A6%EF%BC%A1.pdf

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【解答】
p:x=1
q:x=1またはx=-1
より、
¬p:x≠1
¬q:x≠1かつx≠-1

pまたは¬q:x≠-1
¬pかつq:x=-1

以上より、包含関係を考えると、
qはpであるための必要条件
pは¬qであるための必要条件でも十分条件でもない
(pまたは¬q)はqであるための必要条件でも十分条件でもない
(¬pかつq)はqであるための十分条件
※頭がこんがらがったら、ベン図を描いて考えるとわかりやすいです!

最後に

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ここまで必要条件と十分条件について解説してきました。
この単元の問題は大学入試でよく出題されますが、日本語の意味をしっかり理解して、問題文の情報を正確に処理できれば解ける問題がほとんどです。
この記事で言葉の意味を理解したら、手元の問題集やセンターの過去問で練習を積んでみてください。あなたが必要条件・十分条件を得点源にできることを願っています!

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この記事を書いた人
15084584
現役で東京大学 文科I類に合格しました。夏からアメリカに1年留学するのですが、マジで太りたくないので野菜しか食べないつもりです。 得意科目は英語と数学で、国公立対策の記事を中心に執筆しています。

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