17617227

背理法とは?東大生が例題を証明しながら徹底的に解説します!

はじめに

背理法ってなに?
なんかごちゃごちゃしててわかりにくい…
頭がこんがらがりそうになる…
そんな悩みを抱えているあなた。

確かに背理法は正攻法というよりも少しひねった証明方法ではありますが、
解答の流れや注意すべきことが変わらないため、慣れればむしろ自分の味方になる解法でもあります。
重要なのは、「なぜ背理法が証明として成り立つのか」を理解した上で、実践を積んで慣れていくことなのです。

この記事では、背理法とは何か、背理法が証明として成り立つ理由について説明した後に、ひたすら例題を紹介し、解いていきます。
ほとんどが大学受験でよく出る問題ですので、最後までついてきてくださいね!

背理法とは「ありえない仮定をつきつめて矛盾を探す」証明方法

17617209

ではまず、そもそも背理法とは何なのか?ということを考えてみます。

背理法の大まかな流れ

背理法の大まかな流れは、以下のようになります。

「○○である」という命題Aを証明したい

命題Aを否定する、つまり「○○ではない」という仮定を立てる

「○○ではない」という仮定を立てたことで起こる矛盾を探す

命題Aの否定(=「○○ではない」)はおかしい、と言える

命題Aは正しい!(=「○○である」)と言える


命題が何かがわからない方は、以下の記事を読んでみてください!

東大生が解説!命題の意味や逆・裏・対偶を完璧にしよう!

日本語だけで説明してもわかりにくいと思うので、例題を一つ見てみましょう。


【問題】
√2が無理数であることを証明せよ。


【解説】
先ほどの流れ図の命題Aに、「√2が無理数である」を入れて考えてみます。


「√2が無理数である」を証明したい

「√2が無理数である」を否定する、つまり「√2が有理数である」という仮定を立てる

「√2が有理数である」という仮定を立てたことで起こる矛盾を探す

「√2が有理数である」はおかしい、と言える

「√2が無理数である」と言える


この流れに沿った解答が、以下のようになります。

17617165

17617170

なぜ背理法が証明として成り立つのか

背理法の流れをざっと説明しましたが、なぜ命題の否定の矛盾を探せば命題が正しいことが示せたことになるのか、わからない方もいるのではないでしょうか。

ここで重要なのは、「矛盾の原因はどこにあるか?」ということです。

背理法を用いた証明では、
まず命題Aを否定すると仮定し、そのあとにその仮定を論理的に発展させて、矛盾を探し出しますよね。

論理的に発展というと難しいですが、要は先ほどの証明の
「このとき、√2は整数m, nを用いて√2 = m/n …①と表せる。但し、n≠0である。〜 この両辺を素因数分解したとき、左辺は素因数2を奇数個持つのに対し、右辺は偶数個もつ。」のところです。
仮定から論理的に導けることを書いていって、矛盾を見つける、ということですね。

何度も論理論理と言っていますが、つまりここの発展させた部分は、論理的に正しいわけです。
なので、矛盾が生じた場合、その原因は発展させた部分ではなく、そもそもの仮定にあることが明らかですね。
なので、命題を否定した仮定は正しくない、つまり命題は正しい、といえるのです。

例題を解いて背理法をマスターしよう!

17617210

背理法をマスターするには、数をこなすのが一番です。大学受験でよく出る問題を集めましたので、解いてみてください!

2乗したら偶数になる数はなぜ偶数なのか

【例題】整数pに対し、p²が偶数ならばpは偶数であることを示せ。

【解答】
p²が偶数ならばpは奇数であると仮定する。
このとき、p≡1(mod2)であるので、
p²≡1²≡1(mod2)となり、p²は奇数であるので、これは仮定に矛盾する。
よって、背理法を用いて、p²が偶数ならばpは偶数であることが証明できた。

√3が無理数であることの証明

【例題】
√3が無理数であることを証明せよ。

【解答】
√3が有理数であると仮定する。
このとき、互いに素である整数m, nを用いて√3=m/n…①と表せる。但し、n≠0である。

①の両辺を2乗すると、
3 = m²/n²
⇔3n² = m²②
よってm²は3の倍数であるので、mも3の倍数である。
整数kを用いてm=3kとおくと、
②⇔3n² = (3k)² = 9k²⇔n²=3k²
よって、n²は3の倍数であるので、nも3の倍数である。
しかし、m, nは互いに素であるので、矛盾が生じる。
よって、背理法を用いて、√3が無理数であることが証明できた。

無理数と無理数の和は無理数?

【例題】√3+√5が無理数であることを証明せよ。ただし、√3, √5が無理数であることは証明しなくてよい。

【解答】
√3+√5が有理数であると仮定し、有理数Rを用いて√3+√5 = R①とする。
このとき、

⇔√3 = R-√5
∴3 = (R-√5)²
⇔3 = R²-2√5+5
⇔2√5 = R²+2

このとき、左辺は無理数であるのに対し、右辺は有理数である。
よって矛盾が生じ、背理法を用いて、√3+√5が無理数であることが証明できた。

Studyplus slogo@2x
学習記録をつけて勉強をもっと効率的に!
受験生の3人に1人が使っているStudyplusで、勉強が続く!
無料会員登録
Pc@2x

虚数と実数

【例題】a、b、x、yが有理数であるとする。この時、
a+b√2=x+y√2 ならば a=xかつb=y
となることを証明せよ。
ただし、√2が無理数であることは証明しなくてよい。

【解答】
a+b√2=x+y√2のとき、b≠yと仮定する。
このとき、
a+b√2=x+y√2
⇔(b-y)√2 = x-a
b-y ≠0 より、(b-y)√2は無理数となる。しかしいま、a, xは有理数であるためx-aは有理数。
よって矛盾が生じ、背理法を用いて、「a+b√2=x+y√2のとき、b=yである」ことがわかる。

このとき
a+b√2=x+y√2
⇔(b-y)√2 = x-a
⇔x-a = 0×√2 = 0
⇔x=a

よって、
a+b√2=x+y√2 ならば a=xかつb=y
が証明できた。



○○ならば□□
という命題だと、否定の仕方がたくさんあり難しいですが、基本的には□□のみを否定すると解けることが多いです。

また、今回の問題は□□も「a=xかつb=y」という、否定の仕方がまたたくさんある命題でしたが、今回はまずb=yが成り立つことのみを証明し、そのあとにそれを代入してa=xを導きました。つまり、b=yにしか背理法は使っていません。

このように矛盾を導く方法は様々です。どうやったら矛盾を導けるのか一度で見抜くのは難しいですが、場数を踏むことで徐々に慣れていきましょう。

三角形の内角のうち少なくとも1つは60°以上ってほんと?

【例題】三角形の内角のうち少なくとも1つは60°以上であることを証明せよ。

【解答】
三角形の内角がすべて60°未満であるとする。このとき、3つの内角の和は180°未満となるが、三角形の内角の和は必ず180°になる。
よって矛盾が生じ、背理法を用いて、「三角形の内角のうち少なくとも1つは60°以上である」ことが証明できた。

素数は無限に存在するか

【例題】素数が無限に存在することを証明せよ。

【解答】
素数が有限個しか存在しないと仮定する。その際の数を、自然数nを用いて
a1, a2, a3, …, an ①
と表す。

このとき、
a = (a1a2a3 … an) + 1
というaを考えると、aはどのap(pは1≦p≦nを満たす任意の自然数)でも割り切れないため素数であるが、aはどのapよりも大きいため、①には含まれない。
よって矛盾が生じ、背理法を用いて、「素数が無限に存在する」ことが証明できた。

tan1°は無理数であるか

【例題】tan1°は無理数であることを証明せよ。


※この問題はもともと、2006年に京都大学で「tan1°は有理数であるか」として出題されました。
そのときも30点満点中平均点が3点ほどだったそうなので、できなくてもまったく構いませんが、面白いと思った方は解いてみてください。



【解答】
tan1°が有理数であると仮定する。
tan2α = 2tanα/1-tan²α より、tanαが有理数のとき、tan2αも有理数となる。
いま、tan1°が有理数であるので、自然数nを用いて
tan2^n°は有理数である
といえる。

よって、tan4°とtan64°は有理数。また、加法定理より、
tan(α-β) = (tanα-tanβ)/(1+tanαtanβ)
なので、tanα, tanβが有理数であるとき、tan(α-β)も有理数である。

以上より、
tan60°= tan(64-4)°
であるので、tan60°は有理数である。
しかし、tan60° = √3であり、無理数。

よって矛盾が生じ、背理法を用いて、「tan1°は無理数である」ことが証明できた。

最後に

17617215

ここまで背理法とは何かという説明をしたあとに、大学受験で出て来る問題を解説してきました。
最後のほうの問題はかなり難しいですが、それ以外はいつ入試に出てもおかしくない基本的な問題ばかりです。しっかり復習して、背理法を味方につけましょう!

Studyplus slogo@2x
学習記録をつけて勉強をもっと効率的に!
受験生の3人に1人が使っているStudyplusで、勉強が続く!
無料会員登録
Pc@2x

【あわせて読みたい】

合同式の証明や問題の解き方を解説!大学受験で使いこなそう!

この記事を書いた人
15084584
現役で東京大学 文科I類に合格しました。夏からアメリカに1年留学するのですが、マジで太りたくないので野菜しか食べないつもりです。 得意科目は英語と数学で、国公立対策の記事を中心に執筆しています。

関連するカテゴリの人気記事

14930700?w=120

【文系大学受験】数学問題集おすすめ一覧〜センターから東大受験まで〜

14926323?w=120

数学3(数三)の勉強法!合格のための勉強の進め方とオススメ参考書!

15622206?w=120

因数分解とは?因数分解の公式と解き方を慶應生が教えます!【問題付き】

14702207?w=120

【大学受験 数学勉強法】理系の苦手を潰す!問題集・参考書の選び方も解説

15702659?w=120

東大生が教える連立方程式の解き方〜中学数学からセンターまで〜

16020625?w=120

三平方の定理が一瞬で理解できる!公式・証明から計算問題まで解説

関連するキーワード

スマホアプリで
学習管理をもっと便利に
Foot bt appstore
Foot bt googleplay