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【数学的帰納法】証明や問題の解き方を東大生が徹底解説!例題つき

はじめに

大学受験でよく出題される、数学的帰納法。
記述式であるため減点がされやすく、またいろいろなパターンがあって覚えられない受験生は多いかと思います。

ですが、数学的帰納法は一度きちんと理解してしまえば、何に注目して解き進めるべきが非常に明確な、シンプルな解法なのです。
私は受験生のとき、数学的帰納法が出てくるたびに「ラッキー!」と思っていました。(中には本当に難しい問題もありますが…)

この記事では、数学的帰納法の基本の考え方・解き方を説明した後に、大学受験でよくでる問題を解説していきます。
数学的帰納法をマスターして、大学入試で得点源にしましょう!

数学的帰納法とは?

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まず、基礎の基礎である数学的帰納法とは何かについて説明します。

数学的帰納法とは「具体例を集めてルールを導き出す」こと

数学的帰納法、聞きなれない言葉かもしれませんが、これはずばり「具体例を集めて、すべてに共通する命題を予想し、証明する」という意味です。
一見規則性がなさそうな数字や式の集まりを見て、規則性を予想し、その規則性が正しいことを証明する、という手順になります。

では、「数学的」とはどういうことでしょう。
「帰納法」というのはもともと哲学用語で、「演繹法」と対になっています。
非常に簡単に説明すると、
帰納法は具体例から普遍的な真理を導き出すこと、
演繹法は普遍的な真理を定めてから、それを具体例に当てはめる…
というイメージです。(かなり簡略化していますが…)

この「帰納法」が持つ本来の意味に対し、
数学的帰納法では、「具体例から普遍的な真理を導き出す」のにプラスして、その導き出した真理が正しいことを証明しなければなりません。

また、あとで詳しく説明しますが、その証明の仕方が少し演繹法ぽかったり…と、数学の証明において使われる帰納法は、本来の帰納法と違う点が多いのです。
なので、「数学的」帰納法と呼びます。

記述問題において、「数学的帰納法」と書くときは、面倒くさくても「数学的帰納法」と書いたほうが安全かもしれません。

数学的帰納法では「一番小さい数を入れたとき」と「つながり」を明らかにしよう

では、数学的帰納法の具体的な手順を説明します。

まず、数学的帰納法を使う問題は、ざっくり2つに分けられます。
1つ目は「あらかじめ示されたルールを証明する問題」
2つ目は「具体例の中からルールを見つけて、それを証明する問題」
です。

この2つ目の「具体例の中からルールを見つける」というのは、大学受験では実際に具体例を出せば簡単に見つかることが多いので、やり方というのは特にありません。
そこで、証明の仕方のみ説明します。


一番基本的な数学的帰納法は、
「自然数nに関する命題Pが、すべての自然数について成り立つ」ということを
①n=1のときに命題Pが成り立つことを証明する
②n=kで命題Pが成り立つと仮定すると、n=k+1でも命題Pが成り立つことを証明する
この2つの手順を踏んで証明することです。

この①②が証明できれば、
「①よりn=1のとき命題Pは正しくて、②よりn=1のときにPが正しいのだからn=2のときもPは正しくて、そうするとまた②よりn=2のときにPが正しいからn=3のときもPは正しくて…」
というのを無限に繰り返せるので、すべての自然数について命題Pが正しいことになります。

①で証明するのがn=1, 2になったり、②で証明するのがn=k+2だったりと、扱う文字や項は問題によって変わってくるものの、
「一番小さい数たちを入れたときに命題が成り立つこと(①)」と「つながりが成立すること(②)」を証明することで、どんなnでも命題が成り立つことが証明できるのです。

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例題を解いてみよう

日本語だけで説明してもよくわからないと思うので、実際に例題を解いてみましょう。

【問題】nが自然数のとき、
1+2+3+…+n-1+n=½ n(n+1)…☆
を証明せよ。


【解説】
先ほど数学的帰納法の手順は
①n=1のときに命題Pが成り立つことを証明する
②n=kで命題Pが成り立つと仮定すると、n=k+1でも命題Pが成り立つことを証明する
であるといいました。これに沿って考えていきます。

まず、n=1のときに☆が成り立つことを証明します。といっても簡単で、

n=1のとき、
[☆の左辺] = 1
[☆の右辺] = ½ ×1×2 = 1
よって、n=1のとき☆が正しいことが示せた。

これでOKです。


次に、n=kで命題Pが成り立つと仮定すると、n=k+1でも命題Pが成り立つことを証明します。



わかりましたか?
まず、n=k(kは自然数)のときに☆がどうなるか、という式(①)を立て、
n=k+1のときの☆の左辺に①を代入して整理し、☆の右辺になるよう導いているのです。
これで、「n=kで☆が正しい場合、n=k+1でも☆は正しい」ということが示せたわけです。

そして、最後に
「数学的帰納法を用いて、すべての自然数nについて☆が成り立つことを証明できた。(証明終わり)」と書いて
締めます。


最後に、ここまでの証明をまとめて書いておきます。
数学的帰納法は日本語をたくさん使う証明です。不適切な日本語を使って減点される…なんてことがなくすために、自分の中で1つ型を決めておくことをおすすめします。

【問題】nが自然数のとき、
1+2+3+…+n-1+n=½ n(n+1)…☆
を証明せよ。


【解答】
(1)n=1のとき
[☆の左辺]=1
[☆の右辺]=½ ×1×2 = 1
よって、n=1のとき☆が正しいことが示せた。

(2)n=k(kは自然数)のとき☆が成立すると仮定すると、
1+2+3+…+k-1+k=½ k(k+1)…①

このとき、n=k+1を考えると
[☆の左辺]
=1+2+3+…+k+k+1
=½ k(k+1) + k+1 (∵①)
=(½ k+1)(k+1)
=½ (k+1)(k+2)
=[☆の右辺]
よって、n=kを仮定すると、n=k+1でも☆が成立することが示せた。

(1)(2)より、数学的帰納法を用いて、すべての自然数nについて☆が成り立つことを証明できた。(証明終わり)

不等式を数学的帰納法で証明するには

では、証明する命題が不等式であった場合のことを考えてみましょう。

移項すると数学的帰納法で証明しやすい

「AがBよりも大きい」
「A-Bは0よりも大きい」
この2つは同じことを言っていますが、どちらが証明しやすいと思いますか?

単純な問題だと前者のままでも証明できることもありますが、
0という数字が持つ特殊な性質を利用する、つまり後者を証明することで、ぐっと簡単に問題が解けることが多いです。
つまり、ある不等式が成り立つことの証明において、
「移項する」
は非常に重要なわけです。

これを心に留めつつ、例題を解いてみましょう。

例題を解いてみよう

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数列と数学的帰納法

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大学受験でよく出題される問題として、
「漸化式によって表される数列の一般項を、数学的帰納法で求める」というものがあります。

先ほど数学的帰納法を使う問題は、「あらかじめ示された命題を証明する問題」と「具体例の中から命題を見つけて、それを証明する問題」の2つに分けられる、と説明しました。
今まで解いてきた問題は前者ばかりでしたが、数列が絡んだ問題は大体後者になります。

問題を解きながら考えてみましょう。

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【解説】
この問題、普通に漸化式を解こうとしても解けませんよね。

参考:漸化式の問題パターンと解き方を東大生が徹底解説!

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ここまで書き出してみて、何か法則は見えませんか?

分子は2, 4, 8, 16、分母は1, 3, 7, 15となっていることから、

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という予想が立てられますね。


では、この予想が正しいことを、数学的帰納法で証明していきましょう。

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2つ前から仮定する数学的帰納法

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【問題】
2次方程式x²-ax+b=0の2つの実数解をα, βとするとき、
すべての自然数nについて、

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が整数となることを示しなさい。ただし、a, bはどちらも自然数である。


【解説】
まずは、これまでやってきた方法で解いてみましょう。

解の係数の関係より、
α+β=a
αβ=b
a, bは自然数なので、α+β, αβはどちらも自然数である。…①

また、「自然数nについてα^n+β^nが整数である」という命題を☆とおく。


(1)n=1のとき
①より、α+βは自然数であるので、☆は成立する。

(2)n=k(kは自然数)のとき、α^k+β^kが整数であると仮定する。
このとき、n=k+1のときを考えると

α^(k+1)+β^(k+1)
=(α^k+β^k)(α+β)-βα^k-αβ^k
=(α^k+β^k)(α+β)-αβ(α^(k-1)+β^(k-1))


…さてここで、困った、となったあなたは正解です。
α^(k+1)+β^(k+1)をα^k+β^kで表そうとするとどうしてもα^(k-1)+β^(k-1)が出てきますが、α^(k-1)+β^(k-1)は整数とは仮定していません。なので、ここからよって整数である、とすることはできないのです。

ですが、逆にいえばα^(k-1)+β^(k-1)、つまり2つ前の項まで整数と仮定してしまえばいいわけです。
n=1とn=2のときに命題が正しいことを証明したあとに、
n=kとn=k+1のときに命題が正しいと仮定したとき、n=k+2でも正しいと証明できれば、
命題が正しいことが証明できます。

これを踏まえて、解き直してみましょう。


(1)
n=1のとき、
①より、α+β=a
aは自然数であるので、α+βは整数である。

n=2のとき、
①より、α²+β²=(α+β)²-2αβ=a²-2b
a, bはどちらも自然数であるので、α²+β²は整数である。

よって、n=1, 2のとき、☆は成立する。

α^(k-1)+β^(k-1)
α^k+β^k
α^(k+1)+β^(k+1)


(2)n=k, k+1のとき、☆が成立すると仮定すると、
α^k+β^kは整数である…②
α^(k+1)+β^(k+1)は整数である…③

n=k+2のときを考えると、

α^(k+2)+β^(k+2)
=(α^(k+1)+β^(k+1))(α+β)-βα^(k+1)-αβ^(k+1)
=(α^(k+1)+β^(k+1))(α+β)-αβ(α^k+β^k)


①②③より、α^(k+2)+β^(k+2)は整数である。
よって、n=k, k+1を仮定すると、n=k+2でも☆が成立することが示せた。

(1)(2)より、数学的帰納法を用いて、すべての自然数nについて☆が成り立つことを証明できた。(証明終わり)

前のすべてを仮定する数学的帰納法

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最後に

ここまで数学的帰納法について説明してきました。
最後の問題は少し難しかったですが、それ以外の問題は大学入試でよく出題される問題ばかりです。
「n=1のときに命題Pが成り立つことを証明する」「n=kで命題Pが成り立つと仮定すると、n=k+1でも命題Pが成り立つことを証明する」という基本をしっかりおさえて、数学的帰納法をマスターしましょう!

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この記事を書いた人
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現役で東京大学 文科I類に合格しました。夏からアメリカに1年留学するのですが、マジで太りたくないので野菜しか食べないつもりです。 得意科目は英語と数学で、国公立対策の記事を中心に執筆しています。

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