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ロピタルの定理とは?記述試験では使えない?入試で使える実践解説

はじめに

「ロピタルの定理」って聞いたことありますか?
数学3において、不定形となってしまう極限を簡単に求められる裏ワザの様な定理です。

しかし、便利である反面ロピタルの定理が使えるためには幾つかの満たさなければいけない条件があります。
しかも、「記述問題で何も断らずに使うと大幅な減点をされてしまう」という話もあります。

「使いこなすのは難しいが、使いこなせれば大きな武器になる」
そんなロピタルの定理をマスターして、周りの受験生と差をつけましょう。

ロピタルの定理と使うための条件

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これが、ロピタルの定理です。
本当にシンプルに表現すると、
「f(x)/g(x)の極限が不定形になってしまうとき、分子と分母をそれぞれ微分したものの極限がもしあれば元の極限もその値になる」
ということです。
この「もしあれば」というのは実は大きなポイントなのです。
それではロピタルの定理の威力を実感するために幾つか例題を解いてみましょう。

ロピタルの定理を使った例題

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一筋縄では求まらないこれらの極限ですが、ロピタルの定理を使うと一瞬で求めることができます。
①、②ともにロピタルの定理が使えるので

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もしロピタルの定理を使わないとしたら、
①は自然対数の底の定義を使う、②は追い出しの原理を使うというように思いつくのが難しい工夫が必要になってしまいます。
大幅に計算を短縮することができたり、正攻法の解き方が思いつかない時でもただ定理を当てはめれば答えが導けるというのがロピタルの定理の良さだといえますね。

そんな便利なロピタルの定理ですが、誤って使わないために使える条件を丁寧に確認しておきましょう!

条件1:求める極限が不定形になる

上で見た①の条件ですね。
求めるべき極限が、「0÷0または∞÷∞の不定形になってしまっていること」がロピタルの定理を使うための条件です。
まあ実際に問題を解いているときは
不定形になっているからどうにかして極限を求めたい

そうだロピタルの定理を使おう
というような考え方をするので、条件というよりもむしろロピタルの定理を使うための動機付けと言ったほうが良いかもしれません。

重要なのは次の条件です。

条件2:微分したあとの極限が存在する(重要!)

上で見た②の条件は見落としてしまいがちな条件です。
これがなぜ重要になってくるかというと、反例、つまり

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場合があるからです。
1つ反例を挙げてみましょう。

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このように、はさみうちの原理を使うことで極限値が求まります。
一方で、ロピタルの定理で極限値を求めるべく分母と分子を微分したものの極限を考えてみます。

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微分したものの形を考えても、極限値が求まりませんでした。
このようにロピタルの定理を使おうとしても上手くいかない場合があります。それは上で述べたロピタルの定理を使うための条件を実は満たしていなかったという場合なのです。
ロピタルの定理を使おうとしても上手くいかなかったときは、本当に使うための条件を満たしているかを検討し直してみましょう。

高校数学ではロピタルの定理が使えない!?

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さて、ここまで読んでロピタルの定理の圧倒的な性能に惚れ込んでしまったあなたにとっては残念なお知らせですが、大学入試にはある通説があります。
「ロピタルの定理は入試問題では使ってはいけない。記述式の試験で使うと減点されてしまう。」と言うものです。
なぜならロピタルの定理の証明を厳密に行うためには高校数学の範囲を超え、大学で学ぶ「解析学」と言われる分野の内容が必要になってくるからです。
もちろん大学入試の採点基準は各大学がそれぞれ独自に持っているものですし、全ての大学で一概に「ロピタルの定理を使うと減点」となっているとは思えません。しかし、「減点する大学がある」という事実はあなたのロピタルの定理の使用をためらわせるのに十分な理由になってしまいます。
それでは一体どうすればよいのでしょうか?

ロピタルの定理は検算に使う

一番無難な方法は、「ロピタルの定理はマーク式の試験か、記述式の試験での検算用に使う」というものです。
ロピタルの定理を用いて答えを導いたことを答案に示さなければ減点されようがありませんから安心です。

しかし作問者も勿論ロピタルの定理を知っているわけですから、マーク式の試験でロピタルの定理を使って大きく時間を短縮できるような問題が出てくることは考えにくいです。記述試験での検算用というのも、正しい答えを導くための助けにはなりますが解答時間の短縮に役立つわけではありません。

やはりあなたもどうしても記述試験でこそロピタルの定理を使いたいと思っているでしょう。
そこで、記述試験でロピタルの定理を使う際に減点される可能性を「限りなく減らせる」方法を伝授します!

ロピタルの定理を記述試験で使うときに気を付ける3つのポイント

さて、記述試験でロピタルの定理を使うときに気を付けるべきことは、「ロピタルの定理を使う条件を満たしていることをしっかり示す」ことです。
その条件とは次の3つです!

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これらを満たしていることを記述式の答案に書くことで減点される可能性を減らすことができます。

なぜ条件を明記することが記述でのリスクを減らすことになるのでしょうか?それは「ロピタルの定理を使うと減点される」という考えが生まれた経緯によります。
ロピタルの定理は高校数学の範囲を超えた定理だということは先ほどお話しました。
証明を理解できないため多くの受験生がその細かい部分を理解せず、ただの便利な計算方法として認識しています。
そのため「正しくロピタルの定理が使える条件を検討している」答案を書ける受験生は殆どおらず、そういった人の書いた答案は確実に減点されてきたと推測されます。
そういった多くの減点答案の存在が「ロピタルの定理が大学受験で使えない」という風説を生み出したのではないでしょうか。
そうであるならば、「自分は正しくロピタルの定理を理解できているぞ」ということを答案を通じて示すことができれば入試本番でも評価してもらえるはずです。
だからこそ記述式の答案でロピタルの定理を使う際には、細かいくらい条件を満たしていることを明記するべきなのです!
勿論これでも減点される可能性が0になるとは言えません。しかし、何も書かずに答えを求めている答案と比べると、確実に高い評価を得られるでしょう。

終わりに

ロピタルの定理の紹介と、正しく使うための条件を細かく見てきました。

入試においてロピタルの定理をドンピシャで使える場面というのはそう多くはありません。
しかし、ロピタルの定理を正しく使えるようにしておけば、周りの受験生と差がつく科目である数学3の重要な場面で、きっとあなたの役に立ってくれるはずです。

ぜひ一度ロピタルの定理とその条件を細かく整理しておきましょう!

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この記事を書いた人
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現役で東京大学理科2類に合格しました。 得意科目は数学と物理、化学で、理系科目を中心に執筆していますので参考にしていただけると嬉しいです。 先日プロテインをセールで購入することに成功しました。

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