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二次不等式の解き方を解説!グラフで応用問題をマスターしよう!

はじめに

二次不等式が解けない…というあなた。
二次不等式は一見イメージがしづらく自分が何をしているのかわからなくなりやすい上、「負の数で割ると不等式の向きが変わる」など、気をつけることがたくさんあり、満点を取るのがなかなか難しい単元です。

ですが、反対にいえば、
不等式のイメージをつかみ、
気をつけるべきことに気をつければ、
満点を取れるわけです。

この記事では、二次不等式の解き方をグラフなどを用いながら説明したあとに、よく出る二次不等式の問題を、ミスが起きやすい箇所に注意しながら丁寧に解説していきます。

この記事を読んで、二次不等式で確実に得点できるようになりましょう!

二次不等式はグラフでイメージをつかめ!

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先ほど私は「二次不等式は一見イメージがしづらく自分が何をしているのかわからなくなりやすい」と言いました。

例えば「x²-4x+3>0を満たすxの範囲を求めよ」という問題があったとしましょう。
経験から「因数分解をして(x-1)(x-3)>0の形にして、不等号の向きが>だから、x<1, 3<xだな」とわかったとしても、
なぜ因数分解をするのか、
なぜ不等号の向きが>だと、xが1と3の外側の値になるのか
が明確に説明できないと、もっと難しい問題に太刀打ちできません。

数式を数式のまま理解しようとすると、「自分が何をしているのかわからない」問題が発生しやすくなります。
この問題を解決するのが「グラフ」です。

問題をグラフで表してみよう

先ほどの「x²-4x+3>0を満たすxの範囲を求めよ」という問題を、グラフを使って考えてみましょう。
まずy=x²-4x+3として、それをグラフに描いてみましょう。
まずは因数分解をします。

x²-4x+3=0
⇔(x-1)(x-3)=0
⇔x=1, 3

これをもとにグラフを描くと、以下のようになります。

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次に、このグラフ上でy=x²-4x+3>0にあたる部分を考えてみます。
yの値が0よりも大きい、つまりx軸よりも上にあるわけですから、

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ここの赤い部分ですね。
白い丸は、その点を「含まない」ことを示しています。x=1, x=3のとき、y=x²-4x+3=0ですから、y=x²-4x+3>0には含まれません。

これはつまり、
「xがx<1, 3<x(青い直線上)にあるとき、y=x²-4x+3は0より大きい(赤い線上に乗る)」
ということでもあります。
よって「x²-4x+3>0を満たすxの範囲を求めよ」の答えは、
x<1, 3<x
です!

このように、グラフを使って解くと、
「今自分が扱っている文字が何を表しているのか」
が明確になり、数式の意味をきちんと理解しながら解答を書くことができます。

もちろん慣れてきたらいちいちグラフを書く必要はありませんが、問題のイメージがつかない、自分が何をやっているのかわからなくなってきたときは、一度グラフに起こしてみるとよいと思います。

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「解なし」ってどういうこと?

今度は、「y>0を満たすxが存在しない」場合について考えてみます。問題を解きながら考えていきましょう。

【問題】
x²+3x+5<0を満たすxの範囲を求めよ。

【解説】
これもy=x²+3x+5とし、グラフを書いて考えてみます。

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グラフから明らかなように、
y=x²+3x+5の線はすべてx軸よりも上、y>0にあります。つまり、xがどんな値であろうと、y=x²+3x+5<0となることはないのです。

こういったときには、解答には「解なし」だとか「求める実数xは存在しない」などと書きます。

「解はすべての実数」とは?

では反対に、

【問題】x²+3x+5>0を満たすxの範囲を求めよ。

について考えてみます。

上のグラフから、xがどんな実数であってもx²+3x+5>0となることはわかりますね。
このとき、
「解はすべての実数」
と答えます。

このとき気をつけなければならないのが、必ず「実数」と書くことです。
「解はすべての数」
では減点されます。

詳しくは「虚数」の単元で学びますが、数学の世界では「2乗すると-1になる数」として虚数が定義されています。
「すべての数」と書いてしまうと、この虚数まで含まれるのです。解が虚数である場合、必ずしもx²+3x+5>0となるとは限りません。

また、慣例として、問題文にて文字の値の範囲についてなんの指定もない場合、その文字が取りうる範囲は「実数全体」を指しますが、解答で「解はすべての数」と書いても、「数=実数」とはみなされません。

なので、解答では必ず
「解はすべての実数」と書き、数の範囲を限定してください。

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係数と判別式が大事!

さて、y=x²+3x+5がすべての実数xにおいてy>0にあるかどうかは、実はグラフを書かなくとも「判別式」を使えばわかります。


一般化して考えてみましょう。
ある2次方程式をf(x)=ax²+bx+c(ただしa≠0)とおいて、
「すべての実数xにおいてf(x)>0」となるための、つまりグラフが

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こうなるわけです。これを☆とおきます。
グラフが☆になるような、f(x)の条件を考えてみましょう。

まずは、グラフの形が下に出っ張っている形である必要があります。
上に出っ張っていると、どんなに頂点のy座標が大きい数だとしても、xを大きくしたり小さくしていくと、必ずいつかはx軸を超えてy<0の領域に入るからです。

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「グラフの形が下に出っ張っている形である」これはつまり、
「f(x)=ax²+bx+cにおいて、a>0」であることと同値です。
先ほどの例も、x²+3x+5=0と、x²の係数は1で、0以上ですね。


さて、他に何の条件があれば、グラフが☆のような形になるのでしょうか。


下に出っ張っているグラフがy<0の領域に入らないためには、
要は「x軸と交わらなければいい」わけです。

この「x軸と交わらない」というのはつまり、
「f(x)=ax²+bx+c=0が実数解を持たない」
ということ。
ここで2次方程式が解を持つか否かを判定する、判別式が出てきます。

2次方程式ax²+bx+c=0が実数解を持たない条件は、
[判別式] = b²-4ac <0
ですね。
これが2つ目の条件です。

以上をまとめると、f(x)=ax²+bx+c(ただしa≠0)について、すべての実数xでf(x)>0となる条件は、

①a>0
②b²-4ac <0

なのです!


これを使うと、最初の「x²+3x+5>0を満たすxの範囲を求めよ」という問題で、
すべての実数xにおいてx²+3x+5>0にあるかどうかが、グラフを書かなくともわかります。

まず、x²の係数は1で、0以上です。これは①を満たしていますね。
判別式についても、x²+3x+5=0における判別式は、3²-4×1×5 = -11<0 で、②を満たしています。
よってx²+3x+5は、すべての実数xでx²+3x+5>0を満たします。

この、「x²の係数の正負」と「判別式」は、他の問題でもよく使います。
二次不等式が出てくるときは意識しておきましょう!

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因数分解だけを使うときに気をつけること

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ここではグラフを使わずに解く際に気をつけるべきことを説明します。

いつでもグラフで描けるように!

グラフを使わずに因数分解だけで解く、といっても、何か特別なことをするわけではありません。そもそも、グラフを描く際にも因数分解はしています。

教科書や参考書で言われる「因数分解を使って二次不等式を解く」とは、グラフを描くのをはしょっているだけなのです。
すべての基本はグラフです!

なので、グラフを答案に描かずに因数分解だけで解くにしても、描けと言われたらグラフを描けるようにしましょう。
因数分解だけしていると、どうしても数をいじくりまわすだけになってしまい、自分が今なにをやっているのか見失いがちになります。
必ずグラフを意識して問題を解くようにしてください。

x²の係数にマイナスがつくときに注意しよう

因数分解のみで解く際に犯しがちなのがこのミスです。

①x²+5x+4>0
②-x²-5x-4>0
この2つの例で考えてみましょう。
まず①についてはシンプルですね。

x²+5x+4
=(x+1)(x+4)>0
⇔x<-4, -1<x

次に②です。

-x²-5x-4
=(-x-1)(x+4)>0
ここで犯しがちなのが、ここから「x<<4, -1<x」としてしまうミスです。
たしかにx=-1, x=-4で-x²-5x-4=0にはなりますが、(-x-1)(x+4)>0については

(-x-1)(x+4)>0
⇔-4<x<-1

です。
これはグラフを描けばすぐ理解できるかと思います。x²の係数は「-1」で、0より小さいですね。なので、グラフは

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こうなるはずですね。
赤い部分が0より大きい部分ですから、これを満たすxは-4<x<-1であることがわかります。

なぜこういったミスが起きるのかというと、
「f(x)>0」のときは「x<○, □<x」
「f(x)<0」のときは「○<x<□」
というように「形」で暗記する人が多いからなのです。

グラフを描けるのなら暗記してしまっても構いませんが、問題なのは上の形はx²の係数が0より大きいときのみ当てはまるということです。
先ほどグラフで説明したように、x²の係数が0より小さいときは反対になります。

このミスを防ぐためには、単純に「x²の係数が0より小さいときは形が反対になる」ということを意識するのでもいいですが、
私はx²の係数が0より小さい場合、両辺を-1で割ってx²の係数を0より大きくしていました。
上の例だと、
-x²-5x-4>0
⇔x²+5x+4<0
⇔(x+1)(x+4)<0
⇔-1<x<-4
こうなります。
x²の係数を常に+にしてしまうことでミスを防ごうという考え方です。

どんな方法をとっても構いませんが、x²の係数がマイナスのときには注意しましょう!

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よく出る二次不等式の問題

ここでは、大学入試でよく出題される二次不等式のパターンを紹介します。

すべての実数xでx²+x-k>0を満たすkの求め方

まずはこちら。
【問題】x²+x-k>0の解が「すべての実数」となるkの範囲を求めなさい。

【解説1】
この問題は解き方が2つあるので、順々に説明します。
まずは1つめ。

先ほどやったとおり、f(x)=ax²+bx+c(ただしa≠0)について、すべての実数xでf(x)>0となる条件は、
①a>0
②b²-4ac <0
この2つです。

いま、x²+x-kより、x²の係数は1ですから0より大きいですね。つまり、kがどんな値であると、①はクリアできています。
②について考えると、判別式は「1²+4k」ですから、x²+x-k>0の解が「すべての実数」となるためのkの条件は
1²+4k<0
⇔1<-4k
⇔-1/4よって、答えは-1/4>kです。


【解説2】
では、もう一つの解き方を紹介します。グラフを使って解く解き方です。

x²+x-k>0 における変数kを移行して、
x²+x>k…①
とします。

この両辺を、それぞれ
y=f(x)=x²+x
y=g(x)=k
とおきます。

さて、問題は「x²+x-k>0の解が「すべての実数」となるkの範囲を求めなさい。」でした。
「x²+x-k>0の解が「すべての実数」となる」というのは言い換えると
「すべての実数xでx²+x-k>0となる」こと。

さらにいま、
y=f(x)=x²+x
y=g(x)=k
とおいていますから、この問題は

「すべての実数xでf(x)>g(x)が成立するような、kの範囲を求めなさい」

と読み替えることができます。

このkの範囲を、y=f(x)とy=g(x)をグラフに移して考えてみましょう。

16424047

このグラフからわかるように、kの値を動かすということは、y=g(x)=kの直線を上下に動かすことです。
つまりこの問題では、「すべての実数xで、y=f(x)がy=g(x)より上にあるようなkの範囲」を考えればいいわけです。
それはつまり、

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この青い部分ですね。
つまり、kが-1/4よりも小さければいいわけです。

よって、求めるkの範囲は k<-¼ です!

すべての実数xでkx²+x+2>0を満たすkの求め方

さて、次に紹介する問題は、「x²の係数が変数」という問題です。

【問題】すべての実数xでf(x)=kx²+x+2>0を満たすkの範囲を求めなさい。

【解説】
ここで重要なのは、「kはx²の係数である」ということ。
つまりkの値によって、グラフの形が大きく異なってくるのです。
先ほども言ったとおり、二次方程式のグラフは
x²の係数が0よりも大きいときは下に出っ張る形に
x²の係数が0よりも小さいときは上に出っ張る形に
なります。

そこで、この問題はkの値を場合分けして考えることになります。

まずは今までやってきたような、k>0の場合を考えてみましょう。
グラフは以下のようになります。

16424093

つまりは[判別式]<0となればいいわけですから、
[判別式] = 1²-8k<0
⇔1/8<k
これはk>0を満たすので、k>1/8は求める範囲に含まれることがわかります。

次にk=0のときについて考えてみましょう。
f(x)=kx²+x+2にk=0が代入されるわけですから、
f(x)=x+2
となります。

グラフはもちろん

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こうなります。明らかにy<0の部分がありますね。
よって、k=0は求める範囲には入りません。

最後にk<0について考えてみます。
x²の係数が0よりも小さいときは上に出っ張る形になるので、グラフは以下のようになります。

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先ほども言いましたが、この形だと、
どんなに頂点のy座標が大きい数だとしても、xを大きくしたり小さくしていくと、必ずいつかはx軸を超えてy<0の領域に入ることになります。
なので、「すべての実数xでf(x)>0」ということはk<0である限りありえないのです。
よって、k<0は求める範囲には含まれません。

以上より、すべての実数xでf(x)=kx²+x+2>0を満たすkの範囲は
k>⅛
です。


k=0やk<0について説明しているとき、「こんなのグラフ書かなくてもわかるよ、当たり前じゃん」と思ったかもしれせん。
ですが、入試の記述問題でここの説明を省くと、大きく減点されます。k>0だけ論証するのでは不十分だからです。
少々面倒くさいですが、ここはサボらずに解答に書きましょう。

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連立二次不等式の解き方

次に、連立二次不等式の解き方について説明します。

【問題】以下の2つの2次不等式を満たすxの範囲を求めなさい。
x²+5x+4≧0①
x²+5x≦0②

【解説】
基本は二次不等式と同じで、まずは①②それぞれを満たすxの範囲を求めます。
① ⇔ (x+4)(x+1)≧0 ⇔ x≦-4, -1≦x
② ⇔ x(x+5)≦0 ⇔ -5≦x≦0
この2つを満たすxの範囲を出せばいいわけです。
このときに使えるのが数直線です。
文字の範囲を見やすくすることができます。

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x≦-4, -1≦x
-5≦x≦0
この2つを満たすのは、上の図で赤の斜線がひいてあるところですね。
よって、求めるxの範囲は
-5≦x≦-4, -1≦x≦0
です。

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最後に

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ここまで、二次不等式の解き方を説明したあとに、よく出題される問題の解説をしてきました。
大事なのはなんといってもグラフです。自分が何をしているのか、この数式は何を表しているのか、常に考えながら問題を解いていってください。
みなさんが二次不等式を攻略できることを願っています!

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この記事を書いた人
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現役で東京大学 文科I類に合格しました。バドミントンのサーブが打てません。 得意科目は英語と数学で、国公立対策の記事を中心に執筆しています。勉強に悩んでいる方のお役に立てれば幸いです。

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