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【二項定理】公式の証明や係数の求め方を解説!基礎から大学受験まで

はじめに

二項定理はアルファベットや変な記号がたくさん出てきてよくわかんない!
というあなた。
確かに二項定理はぱっと見だと寄り付きにくいですが、それは公式を文字だけで覚えようとしているから。「意味」を考えれば、当たり前の式として理解し、覚えることができます。
この記事では、二項定理を証明し、意味を説明してから、実際の問題を解いてみます。さらに応用編として、二項定理の有名な公式を証明したあとに、大学受験レベルの問題の解き方も解説します。
二項定理は一度慣れてしまえば、パズルのようで面白い単元です。ぜひマスターしてください!

二項定理とは、一般項を一瞬で出すための定理

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まず、「二項定理とは何なのか」を説明します。

まずは「C(combination)」から

二項定理を勉強する上で必須なのが、「C(combination)」という記号です。これは「組み合わせ」を意味する記号で、「○個の中から△個を選ぶ選び方が何通りあるか」を表します。
つまり、「n個の中からk個を選ぶ方法がm通りある」場合、

16400625

と表す、ということです。

似たような概念で、「P(permutation)」という記号があります。この意味は「順列」で、「○個の中から△個を選び、さらにそれを並べる並べ方が何通りあるか」を表します。
この「並べ方」とは、順番も考慮します。つまり、例えば1~10の数字の中から3つを選び並べるとき、「1, 2, 3」と「3, 2, 1」は別々ものとしてカウントされます。(組み合わせ(C)では選ぶだけで並べない、順番を考慮しないので、「1, 2, 3」も「3, 2, 1」も同じです)
「n個の中からk個を選び、それを並べる方法がm通りある」場合、

16400656

と表します。

さらに、n、kに具体的な数値を入れると、この組み合わせ(C)、順列(P)も、数値で出すことができます。
順列(P)のほうがわかりやすいので、Pから行きましょう。

例えば「0~9の数字から5つ選んで並べたときの並べ方」を考えてみましょう。
最初に選ぶものは0から9まで10個の中から選べます。
次に選ぶものは、0から9の中から、最初に選んだものを除いた9個の中から選びます。
さらに次に選ぶものは、0から9の中から、最初に選んだものと次に選んだものを除いた8個の中から選び…
とやっていくと、「0~9の数字から5つ選んで並べたときの並べ方」は、
10×9×8×7×6 通り
あるとわかりますね。

つまり、

16400681

です。

これを一般化すると、

16400692

となります。
nから1ずつ引いていったものを掛け合わせるのをk回やる、というイメージです。


次に、組み合わせ(C)について考えてみます。
先ほど、
組み合わせ(C)は「○個の中から△個を選ぶ選び方が何通りあるか」
順列(P)は「○個の中から△個を選び、さらにそれを並べる並べ方が何通りあるか」
であると言いました。

つまり、
順列(P)=組み合わせ(C)×[△個の並べ方]
であるといえます。

これを文字を使って表すと、

16400714

となります!

これは文字で覚えるより、実際に手を動かして覚えるほうが効果的です。何題か練習問題を解いてみましょう。





【問題】以下を解け。

16400728

【解答】

16400743

二項定理を証明しよう

それでは、二項定理の証明に入りましょう。

二項定理とは、

16353510

このような公式のことです。
うわっと思った方、きちんと意味がわかれば、この式が当然のことを言っているだけに見えてきます。

それでは証明していきましょう。
説明がしやすいように、上の二項定理を「☆」で表すことにします。


二項定理とは、端的に言って「多項式を展開した結果を文字で表した」ものです。
例えば(x+y)²は☆にn=2を代入すれば出てきますし、
(1+3)³は☆にx=1, y=3, n=3を代入すると求めることができます。

では、なぜ多項式を展開すると、☆のようになるのでしょうか。
それは、「係数」に着目するとわかりやすくなります。


まずは、(x+y)³を展開するとき、どのように計算しているかを詳しく考えてみましょう。
普段は公式を使っていると思いますが、使わずに地道に計算してみます。

(x+y)³
=(x+y)(x+y)(x+y)
=xxx+xxy+xyx+yxx+xyy+yxy+yyx+yyy
=x³+3x²y+3xy²+y³

注目すべきは2, 3行目です。
3つの(x+y)から、それぞれxとyのどちらを掛けるかを選択しています。

このうち、
xを3回選ぶ選び方は3つの(x+y)のうち3つでxを選択するので3C3=1つ、
xを2回選ぶ選び方は3つの(x+y)のうち2つでxを選択するので3C2=3つ、
xを1回選ぶ選び方は3つの(x+y)のうち1つでxを選択するので3C1=3つ、
xを0回選ぶ選び方は3つの(x+y)のうち0つでxを選択するので3C0=1つ
ですね。


なので、x³, x², xy², y³がそれぞれ1つ、3つ、3つ、1つずつできるため、

(x+y)³
=x³+3x²y+3xy²+y³

となるのです。

これをn乗で考えてみましょう。

16353517

n個の(x+y)から、それぞれxかyを選択しています。

このうち、

xをn回選ぶ選び方は3つの(x+y)のうち3つでxを選択するのでnCn個
xを(n-1)回選ぶ選び方は3つの(x+y)のうち2つでxを選択するのでnCn-1個
xを(n-2)回選ぶ選び方は3つの(x+y)のうち1つでxを選択するのでnCn-2個

xを2回選ぶ選び方は3つの(x+y)のうち0つでxを選択するのでnC2個
xを1回選ぶ選び方は3つの(x+y)のうち0つでxを選択するのでnC1個
xを0回選ぶ選び方は3つの(x+y)のうち0つでxを選択するのでnC0個

となるので、☆、つまり

16353532

が成り立つのです!

多項式の係数を求めるには?

二項定理の問題でよく出てくるのが、係数を求める問題。
ですが、上で説明した二項定理の意味がわかっていれば、すぐに答えが出せるはずです。

【問題1】(x+y)⁵の展開式における、次の項の係数を求めよ。
①x³y²
②x⁴y

【解答1】
①5つの(x+y)のうち3つでxを選択するので、5C3=10 よって、10
②5つの(x+y)のうち4つでxを選択するので、5C4=5 よって、5


【問題2】(a-2b)⁶の展開式における、次の項の係数を求めよ。
①a⁴b²
②ab⁵

【解答2】
この問題で気をつけなければならないのが、bの係数が「-2」であること。

16353574

の式に当てはめて考えてみましょう。

①x=a, y=-2b、n=6を☆に代入して考えると、
a⁴b²の項は、
6C4a⁴(-2b)²
=15×4a⁴b²
=60a⁴b²
よって、求める係数は60。

ここで気をつけなければならないのは、単純に6C4ではないということです。
もともとの文字に係数がついている場合、その文字をかけるたびに係数もかけられるので、最終的に求める係数は

[組み合わせの数]×[もともとの文字についていた係数を求められた回数だけ乗したもの]

となります。


今回の場合は、

組み合わせの数=6C4
もともとの文字についていた係数= -2
求められた回数=2

なので、求める係数は
6C4×(-2)²=60
なのです!


② ①と同様に考えて、
6C1×(-2)⁵ = -192
よって、求める係数は-192

分母が文字の分数を含む多項式で、定数項を求めるには?

さて、少し応用問題です。
以下の多項式の、定数項を求めてください。

16400763

少し複雑ですが、「xと1/xで定数を作るには、xを何回選べばいいか」と考えればわかりやすいのではないでしょうか。

16400777

以上より、xと1/xは同じ数だけ掛け合わせると、お互いに打ち消し合い定数が生まれます。
つまり、6つの(x-1/x)からxと1/xのどちらを掛けるか選ぶとき、お互いに打ち消し合うには
xを3回
1/xを3回
掛ければいいのです!

6つの中から3つ選ぶ方法は
6C3 = 20通り あります。
つまり、

16400902

が20個あるということ。よって、定数項は1×20 = 20です。

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二項定理の有名な公式を解説!

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ここでは、大学受験で使える二項定理の有名な公式を3つ説明します。

「何かを選ぶということは、他を選ばなかったということ」

まずはこちらの公式。

16400802

文字のままだとわかりにくい方は、数字を入れてみてください。
6C4 = 6C2
5C3 = 5C2
8C7 = 8C1
などなど。イメージがつかめたでしょうか。

この公式は、「何かを選ぶということは、他を選ばなかったということ」を理解出来れば納得することができるでしょう。

「旅行に行く人を6人中から4人選ぶ」方法は「旅行に行かない2人を選ぶ」方法と同じだけあるし、
「5人中2人選んで委員にする」方法は「委員にならない3人を選ぶ」方法と同じだけありますよね。

つまり、
[n個の選択肢からk個を選ぶ] = [n個の選択肢からn-k個を選ぶ]
よって、

16400804

なのです!

誰かを選ぶか選ばないか

次に説明するのは、こちらの公式です。

16400823

これも文字で理解するというより、日本語で考えていきましょう。

n人のクラスの中から、k人のクラス委員を選抜するとします。
このクラスの生徒の一人、Aくんを選ぶ・選ばないで選抜の仕方を分けてみると、

①Aくんを選び、残りの(n-1)人の中から(k-1)人選ぶ
②Aくんを選ばず、残りの(n-1)人の中からk人選ぶ

となります。

①はn-1Ck-1 通り
②はn-1Ck 通り
あり、①と②が同時に起こることはありえないので、
「n人のクラスの中から、k人のクラス委員を選抜する」方法は①+②通りある、
つまり、

16400843

ということがわかります!

委員と委員長を選ぶ方法は2つある

次はこちら。

16400857

これもクラス委員の例をつかって考えてみましょう。

「n人のクラスからk人のクラス委員を選び、その中から1人委員長を選ぶ」
ときのことを考えます。

まず、文字通り「n人のクラスからk人のクラス委員を選び、さらにその中から1人委員長を選ぶ」方法は、

nCk…n人の中からk人選ぶ
× k…k人の中から1人選ぶ
=k nCk 通り
あることがわかります。


ですが、もう一つ選び方があるのはわかりますか?
「n人の中から先に委員長を選び、残りのn-1人の中からクラス委員k-1人を決める」方法です。

このとき、
n …n人の中から委員長を1人選ぶ
n-1Ck-1…n-1人の中からクラス委員k-1人を決める
=n n-1Ck-1 通り
となります。

この2つやり方は委員長を先に選ぶか後に選ぶかという点が違うだけで、「n人のクラスからk人のクラス委員を選び、その中から1人委員長を選んでいる」ことは同じ。
つまり、

よって

16400866

がわかります。

二項定理を使って問題を解いてみよう!

16353839

では、最後に二項定理を用いた大学受験レベルの問題を解いてみましょう!

【問題1】
以下の等式が成り立つことを証明せよ。ただし、nは自然数とする。
2n =nC0 + nC1 + nC2 + … + nCn-1 + nCn

【解答1】
二項定理より、

16353737

これに
x=1, y=1を代入すると、

16353748

∴2n =nC0 + nC1 + nC2 + … + nCn-1 + nCn
よって、証明終わり。

【問題2】
以下の等式が成り立つことを証明せよ。ただし、nは自然数とする。
0 =nC0 - nC1 + nC2 - … + (-1)n nCn




【解答2】
二項定理より、

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これにx=1, y= -1を代入すると、

16353763

∴0 = nC0 - nC1 + nC2 - … + (-1)n nCn
よって証明終わり。


【問題3】
以下の等式が成り立つことを証明せよ。ただし、nは0以上の偶数である。
2n-1= nCo + nC2 + nC4 + …+nCn

【解答3】
二項定理より、

16353772

これを☆とおく。

☆にx=1, y=1を代入すると、
2n =nC0 + nC1 + nC2 + … + nCn-1 + nCn…①

☆にx=1, y=-1を代入すると、
0 = nC0 - nC1 + nC2 - … + (-1)n nCn
∴0 = nC0 - nC1 + nC2 - … - nCn-1 + nCn…②(∵nは偶数)

①+②より、
2n =2nC0 + 2nC2 + 2nC4…+ 2nCn
両辺を2で割って、

16353784

よって証明できた。

最後に

16353831

ここまで、二項定理とその有名公式を説明した後に、二項定理を使って解く問題を紹介しました。
二項定理は、知っているか否かが非常に大きく影響する単元です。この記事の内容をおさえるだけでも、かなりの得点に結びつけることができるはずです。
あなたが二項定理をマスターできることを願っています!

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この記事を書いた人
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現役で東京大学 文科I類に合格しました。夏からアメリカに1年留学するのですが、マジで太りたくないので野菜しか食べないつもりです。 得意科目は英語と数学で、国公立対策の記事を中心に執筆しています。

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