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東大生が加法定理の証明と覚え方を解説!公式を使いこなそう!

はじめに

加法定理が覚えられない…
というあなた。

きっとそれは、公式をただの文字の羅列と見ているから。
なぜその公式が成り立つのか?これを証明できるようにならないと、いつまでも加法定理、ひいては数学ができるようにはなりません。
反対にいえば、自分で証明できるようになればあとはこっちのものです。公式を忘れても、自分で導出すればいいからです。

この記事では、加法定理を導出するための証明をわかりやすく説明したあとに、加法定理を使った問題を解いていきます。
三角関数の基礎の基礎である加法定理をマスターして、数学が得意になりましょう!

加法定理を証明する前に

15931278

加法定理の証明をするには、少し前提知識が必要です。まずはその前提知識について説明します。

θにマイナスがつくとcos、sinの値はどうなる?

cosθ = a, sinθ = bとしましょう。では、
cos(-θ)とsin(-θ)を、aとbでどう表せるかわかりますか?

図で表してみるとすぐにわかります。

15921102

はい。
(cosθ, sinθ)と(cos(-θ), sin(-θ))は横軸に対して対称なので、
cosθ=a, sinθ=bのとき

cos(-θ) = a
sin(-θ) = -b

となります。つまり、

15921115

θに±1/2πがつくとcos、sinの値はどうなる?

同じくcosθ=a, sinθ=bのとき、

cos(θ+1/2π)
cos(θ-1/2π)
sin(θ+1/2π)
sin(θ-1/2π)

の値がそれぞれどうなるのか考えてみましょう。また図を使います。

15921131

赤い斜線の角が θ+1/2π、
青い斜線の角が θ-1/2πです。

横軸と縦軸の作る角が1/2πであることから、大きさがθの角を見つけることができ、
そこから三角形の合同を用いて、上の図のように座標を求めることができます。

図より、
cos(θ+1/2π) = -b
cos(θ-1/2π) = b
sin(θ+1/2π) = a
sin(θ-1/2π) = -a

よって、

15921141

余弦定理とは

加法定理の証明には余弦定理も必要です。
余弦定理とは、

15921155

上のような三角形において成り立つ、

a² = b² + c² - 2bc cosA
b² = c² + a² - 2ac cos B
c² = a² + b² - 2ab cosC

の公式のこと。

ここでは、1番目のa² = b² + c² - 2bc cosAのみ証明します。


(1) Aが鋭角のとき

15921162

Cから直線ABに下ろした垂線と、直線ABの交点をHとする。
このとき、CH = bsinA
また、AH = bcosA より、BH = AB - AH = c - bcosA

よって、三平方の定理より、
BC² = CH² + BH²
∴a² = b²sin²A + (c - bcosA)²
⇔a² = b²sin²A + c² - 2bc cosA + b²cos²A
⇔a² = b²(sin²A+cos²A)+c² - 2bc cosA
⇔a² = b² + c² - 2bc cosA

よって、a² = b² + c² - 2bc cosAが証明できた。



(2)Aが直角のとき

15921171

Aが直角なので、三平方の定理より
a² = b² + c²
⇔ a² - (b² + c²) = 0①

また、cos 1/2π=0 より、cos A=0 なので、
2bc cosA=0②

①②より、
a² - (b² + c²) = 2bc cosA
⇔ a² = b² + c² - 2bc cosA

よって証明できた。



(3)Aが鈍角のとき

15921183

Cから直線ABに下ろした垂線と、直線ABの交点をHとする。

∠CAH = 180° - ∠CABより、
CH = b sin(180° - ∠CAB)
= bsinA
AH = b cos(180° - ∠CAB)
= - bcosA

∠H = 90°より、三平方の定理を用いて
BC² = BH² + CH²
∴ a² = (c -bcosA)²+ b²sin²A
⇔ a² = c² - 2bc cosA + b²(cos²A + sin²A)
⇔ a² = b² + c² - 2bc cosA

よって証明できた。

加法定理を証明しよう

15931275

では、ついに加法定理の証明に移ります。何度も繰り返しますが、公式の証明を理解し、覚えることは、公式を忘れたときに自分で作れるようになるだけでなく、公式の意味を理解する上でもとても重要です。
しっかりついてきてください。

まずはcos(α-β)とcos(α+β)

まずはコサインから考えてみましょう。図を用いて考えます。

15931187

AB²を表す方法を考えることで、
cos(α-β) = cosαcosβ + sinαsinβ
を証明します。
まずは、A(cosα, cosβ) B(sinα, sinβ)より、
AB² = (cosα - sinα)² + (cosβ - sinβ)²
= cos²α -2 cosα sinα + sin²α + cos²β -2 cosβ sinβ+sin²β
= 2 - 2 cosα sinα - 2 cosβ sinβ ①

また、余弦定理を用いて
AB² = OA² + OB² - 2OA・OB cos (β-α)
∴AB² = 2 -2cos (α-β) (∵cos(-θ) = cos θ) ②

①②より、
2 - 2 cosα sinα - 2 cosβ sinβ = 2 -2cos (α-β)
⇔ cos(α-β) = cosαcosβ + sinαsinβ
よって証明できた。

また、-βにβを代入すると、
cos(-θ) = cos θ
sin(-θ) = - sin θより、

cos(α+β) = cosαcosβ - sinαsinβ

よって、まとめると、

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次はsin(α-β)とsin(α+β)

さて、cos(α-β)とcos(α+β)が出たところで、さきほど説明した

15931203

この公式を使って、cos(α-β)をsinに変換していきます。

cos(α-β) = cosαcosβ + sinαsinβ のβに
β - 1/2π
を代入すると・・・

cos(α-(β - 1/2π)) = cosαcos(β - 1/2π) + sinαsin(β - 1/2π)
⇔ cos(α-β+1/2π) = cosαsinβ - sinαcosβ (②④)
⇔ - sin(α-β) = cosαsinβ - sinαcosβ (①)
⇔ sin(α-β) = sinαcosβ - cosαsinβ

βに-βを代入して、
sin(α+β) = sinαcosβ + cosαsinβ


よって、まとめると

15931211

cosとsinからtanが導ける

さて、最後はtanです。あと一息がんばりましょう!

16350297

以上をまとめると、

15931226

加法定理の覚え方

加法定理にはいくつか語呂合わせがありますが、いちばん有名なものを紹介します。

15931234

ですが、語呂合わせにあまり頼らないようにしましょう。
語呂合わせで覚えていては、公式を文字としてしか捉えることができず、「公式が何を意味するのか」というところまで意識できないからです。

「証明をして公式を導出する」ことを繰り返した結果自然と公式を覚えた、
という状態が理想的です。

問題を解いてみよう

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加法定理の証明がわかったところで、実際に問題を解いてみましょう!

sin15°

【問題】sin15°の値を求めよ。

【解説】

15931242

tan75°

【問題】tan75°の値を求めよ

【解説】

15931248

2倍角の公式

【問題】cos2θとsin2θをcosθとsinθを用いて表わせ。

【解説】
cos2θ = cos(θ+θ)
   = cosθcosθ - sinθsinθ
   = cos²θ - sin²θ
   = 1 - 2sin²θ
   = 2cos²θ - 1

sin2θ = sin(θ+θ)
   = sinθcosθ + cosθsinθ
   = 2sinθcosθ

この式もよく使うので覚えておきましょう。

15931253

3倍角の公式

【問題】cos3θとsin3θをcosθとsinθを用いて表わせ。

【解説】
cos3θ = cos(2θ + θ)
   = cos2θcosθ - sin2θsinθ
   = (2cos²θ - 1)cosθ -2sin²θcosθ
   = 2cos³θ - cosθ - 2(1 - cos²θ)cosθ
   = 4cos³θ - 3cosθ

sin3θ = sin(2θ + θ)
   = sin2θcosθ + cos2θsinθ
   = 2cos²θsinθ + (2cos²θ-1)sinθ
   = 2(1-sin²θ)sinθ + (2(1-sin²θ)-1)sinθ
   = 2sinθ - 2sin³θ + sinθ - 2sin³θ
   = 3sinθ - 4sin³θ

15931259

最後に

ここまで、加法定理の証明と覚え方、それを用いた基本問題を解いてきました。
問題の難易度が上がるにつれて、加法定理を含む三角関数は、微分やベクトルなど、様々な分野で使うこととなります。つまり、加法定理は避けては通れないのです。
この記事を読んで、あなたが加法定理をマスターできることを願っています!

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この記事を書いた人
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現役で東京大学 文科I類に合格しました。夏からアメリカに1年留学するのですが、マジで太りたくないので野菜しか食べないつもりです。 得意科目は英語と数学で、国公立対策の記事を中心に執筆しています。

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