15818378

正弦定理とは?公式や余弦定理との使い分け、センター過去問等解説!

はじめに

センター試験の数学1Aでも必ず出題される平面図形。
難易度も高く、私もセンター試験本番で平面図形の問題が半分解けないという状況に陥ってしまいました。
その晩解答を見ると、なんてことはない落ち着いて考えれば解ける問題だったので、本番でしっかりと実力を発揮するためにはやはり日頃の勉強で基礎を大事にしておかなければいけないなと痛感した体験でした。

そんな平面図形の基礎となる2つの定理が正弦定理・余弦定理です。
今回は正弦定理の使い方や証明、余弦定理との使い分けなどを実際の入試問題も交えて解説します!

正弦定理とは?どんな時に使う?

16144095

正弦とは三角比のsin(サイン)のことです。
つまり、「正弦定理はsinを使う定理」という意味になります。
それではsinを使って何を求める定理なのでしょうか

三角形の角のsin(正弦)と外接円の半径の関係を表した定理

15818335

上の図のように、三角形ABC(ある角と向かい合う辺の長さをそれぞれa,b,cとする)の外接円の半径をRとしたとき、ある角のsinとそれと向かい合う辺の長さとの間には次のような関係があります。

15818369

これを「正弦定理」と言います。
この式の意味は、「三角形の内角のsinとその角と向かい合う辺の長さの比はどの角でも一定」であること「ある辺の長さを向かい合う角のsinで割った値は外接円の半径の2倍になること」と覚えてください。
もしあなたが数学の問題を解いていて「外接円の半径を求めよ」という設問に出会ったり、他の辺の長さと別の角度がわかっている時に「sin∠BACの値を求めよ」と尋ねられたときは迷わず正弦定理を使ってください!

正弦定理の証明

正弦定理の証明は「円周角の定理」(円周角不変の定理)を用います。
簡単におさらいすると「ある円弧に対する円周角の大きさは中心角の半分で一定」という定理です。
例えば以下の図の緑色の角は、全て円弧BCに対する円周角なので全て同じ、赤色の角の半分の大きさです。
これを使って、∠Aの大きさに応じて3つに分けて証明していきます。

円周角の定理

15833617

∠Aの3つの場合について証明すればOK

∠Aを鋭角(90°未満)、直角、鈍角(90°より大きい)の3つの場合に分けて証明していきます。
三角形の角の角度は0°より大きく180°未満の範囲なので、この3つの場合全てで正弦定理がなりたてばあらゆる角度に対して正弦定理を証明したことになります。
また、∠Aについて証明することができれば、三角形の角という性質は∠B,∠Cに共通なので同様のやり方で証明できることになります。

また、正弦定理を証明する際には計算のしやすさから

15834300

を証明します。

∠Aが鋭角のとき

15818347

円周上に点Dを∠BCDが直角になるように置きます。
そうすると円周角の定理より∠A=∠Dです。
また、∠BCDが直角なので、線分BDは円の直径です。よってBD=2Rとなります。
三角形BCDは直角三角形なので、BC=BDsin∠Dです。
これらをまとめると
a=BC=2Rsin∠A
が成り立ち、正弦定理が導けました。

∠Aが直角のとき

15818351

∠Aが90°のときの証明は図からも分かる通りシンプルです。
sin∠A=1で、線分BCは円の直径なので長さが2Rです。
これらから
a=2Rsin∠A
が導けます。

∠Aが鈍角のとき

15818363

∠Aが鈍角のときは、鋭角のときのように∠BCDが直角、∠A=∠Dとなるような点Dを置くことができません。
そこで、線分BCを挟んでAと反対側に∠BCDが直角となるような点Dを置きます。
すると四角形ABCDは円に内接するので∠A+∠D=180°となります。
∠D=180°-∠Aなので、
sin∠D=sin(180°-∠A)=sin∠A
となります。
また、鋭角のときと同様に三角形BCDが直角三角形なので、
BC=BSsin∠DとBD=2Rが成り立ちます。
これらより
a=BC=2Rsin∠A
が成り立ち正弦定理の式を導くことができました。

正弦定理と余弦定理の使い分けは?

16144124

正弦定理と余弦定理、名前が似ていて使う場面も三角形の角度や長さを求めるときということで、どっちを使えばいいのかわからなくなることもありますよね。
そこで、これら2つの定理の使い分けの仕方を紹介します。

(参考)余弦定理とは?公式の使い方&証明を解説!センター過去問の解説付き

正弦定理を使うとき

・「外接円の半径」が出てきたとき
・2つの角度と1つの辺がわかっているとき

余弦定理を使うとき

・2つの辺と1つの角度から残りの1辺を求めるとき
・三角形の角度を求めるとき

まず、「外接円の半径」が出てきたときは真っ先に正弦定理を使おうと考えてください。
外接円の半径から三角形の辺や角度も、三角形の辺や角度から外接円の半径を求めることもどちらも可能です。
数学で外接円の半径という言葉を見かけたらとにかく正弦定理です!

また、正弦定理はその性質上角度を求めるのが苦手です。
0~180°の範囲において、あるsinの値に対応する角度は2つあるため、正弦定理を使って角度を求めたと思ったら解が2つ出てくる場合があるのです。
そこで、三角形の角度を求めたいと思ったらまずは余弦定理から入って見るようにしましょう。

この2つを押さえておくと、正弦定理と余弦定理の使い分けがし易いと思います。
ただし、次に見るセンター試験の過去問もそうですが、平面図形の問題であれば「どちらの定理も使う」ことが大半です。
どちらも確実に使いこなせるようにしましょう!

Studyplus slogo@2x
学習記録をつけて勉強をもっと効率的に!
受験生の3人に1人が使っているStudyplusで、勉強が続く!
無料会員登録
Pc@2x

入試問題でも頻出の正弦定理!

16144131

今回見てきた正弦定理は、入試問題で頻出の定理です。
特に、センター試験の数学1Aでは図形の問題が必ず出題されるとあって、正弦定理の出題頻度もピカイチです。
「外接円の半径」という言葉が出てきたらまず真っ先に正弦定理が使えないか疑う、というように意識付けをすると素早く正確に問題を解けるようになるでしょう。
今回は、近年のセンター試験数1Aの問題から、正弦定理が登場する難問を1題解説します。
「実際の入試問題ではこういったことが聞かれるのか」というイメージ作りに役立ててください。

平成27年度 センター試験数学1A 第2問(2)

15820559

大学入試センターHPより引用

15820919

問題文の条件を図にしてみると上のようになります。
三角形の2辺と1つの角度がわかっているので余弦定理で残りの1辺が求められますね。

15834691

15820893

ここから別の角のsinを求めるためには正弦定理を使います。
正弦定理の式より

15834690

となり、これに値を代入して計算すると答えが導けます。

15834726

15820900

さて、ここから先は厄介です。とりあえず問題文に書いてある条件に従って点D,点Pを書いてみました。
図で赤く書いた三角形APCの外接円の半径Rの範囲を求める問題です。
「外接円の半径」を考えるからには、三角形APCに対して正弦定理を適用するのだということが伺えます。
∠A,∠P,∠Cのいずれかに注目して正弦定理を使いたいのですが、どの角に注目すれば良いでしょうか。
点Pが動くとき、∠Aと∠Pは変化しますが、∠Cは一定です。
「そこで∠Cに注目するとうまくいきそうだ」とアタリを付けて式を立てていきましょう。
(前問では∠Cのsinの値を求めています、これを誘導と考えても∠Cに注目するのは自然なことです。
正弦定理から半径Rとsin∠PCA(∠C)の関係を作ります。

15835088

この式よりAPの最小値と最大値を求めればRの範囲が求まります。

APが一番長いのは図よりP=Dのとき、AP=3√3とわかります。
APが一番短いときは少し難しいですがAからDCに向かって垂線を下ろしたときになります。
その時はAP=ABsin∠ABDですから、AP=3√3/2となります。
まとめるとAPの範囲は

15834687

となり、上の式に代入して

15834685

となります。
この問題のポイントは、「わかっている条件から、どの三角形のどの角に正弦定理を使うか」を考えることです。
外接円の半径を求めるとき、正弦定理の使い方は3通りあります。そんな中どれに注目すると一番解きやすいか考えることで複雑な計算を避けて問題を解くことができます。
今回は、対応する辺の長さだけが動く∠C,対応する辺の長さは固定だけど角度が変わる∠P、対応する辺の長さも角度も変わる∠Aの3つの角がありました。
こう整理すると、∠Aに注目して解くのは他の2つの角に注目するよりも明らかに困難だということがわかると思います。
(∠Pの変化に注目して問題を解くことも可能です。今回は紹介しませんが、余裕のある人はぜひ試してみてください。)

最後に

センター試験頻出の正弦定理についてお話してきました。
問題演習を重ねるとわかってくるのですが、正弦定理は余弦定理と比べると使い勝手がやや悪く、効果的に使うことが難しい定理です。
それは裏を返せば「正弦定理を用いる問題は正弦定理でしか解けない」ということ。
確実に正弦定理を使いこなすことで、入試で取れる点数を底上げしましょう!

Studyplus slogo@2x
学習記録をつけて勉強をもっと効率的に!
受験生の3人に1人が使っているStudyplusで、勉強が続く!
無料会員登録
Pc@2x
この記事を書いた人
14720503
現役で東京大学理科2類に合格しました。いまは教養学部後期課程の4年生です。 得意科目は数学と化学、物理で、理系科目を中心に執筆していますので参考にしていただけると嬉しいです。 最近クロスバイクにハマりました。

関連するカテゴリの人気記事

14930700?w=120

【文系大学受験】数学問題集おすすめ一覧〜センターから東大受験まで〜

14926323?w=120

数学3(数三)の勉強法!合格のための勉強の進め方とオススメ参考書!

15622206?w=120

因数分解とは?因数分解の公式と解き方を慶應生が教えます!【問題付き】

14702207?w=120

【大学受験 数学勉強法】理系の苦手を潰す!問題集・参考書の選び方も解説

15702659?w=120

東大生が教える連立方程式の解き方〜中学数学からセンターまで〜

16020625?w=120

三平方の定理が一瞬で理解できる!公式・証明から計算問題まで解説

関連するキーワード

スマホアプリで
学習管理をもっと便利に
Foot bt appstore
Foot bt googleplay